真の200年住宅

三和総合設計

2008年09月20日 09:32

今、住宅業界で200年住宅という言葉が使われ始めています。国が住宅の長寿命化を狙った政策なのですが、実際200年以上耐久性のある住宅ということではないようです。毎月購読している「日経ホームビルダー」という雑誌では、別冊で「200年住宅ハンドブック」というものが付録されていました。資源の循環問題や廃棄物の問題、地球温暖化対策などを考えると、長持ちする住まいを造ることは重要なことですが、国が主導して制度や基準を提唱するといつも何かおかしな方向に進んでしまいそうです。200年程度長持ちする住まいを考えたとき、建物の構造体の耐久性の高さはもちろん重要なのですが、建物が修繕しやすいかどうかなども重要なアイテムになりますし、200年たったときにまだ愛着の持てる住まいかどうかなど、さまざま内容が大事になります。もちろん、この国が提唱している200年住宅も単純に構造体の耐久性の高さだけを言っているのではないのですが、やはり縦割りというか、それぞれの中身をひとつずつ基準を作り、基準をクリアーしたら200年住宅だということになるようです。 ですから、プレハブ住宅でも国の基準を満たした200年住宅ということになってしまいます。住まいというのは総合的に見なければなりません。接着剤で固められたような建材を中心に造られたプレハブ住宅が200年持つとは思えませんし、もし持ったとしても工業化され型式認定を取っている建物が将来増改築できるとは思えないし、もしできたとしても、プレハブ住宅に使われている素材が200年先に愛着の持てる状態に維持できるとはどうもイメージできません。でも、基準というものは恐ろしいもので、実際どんな建物が200年近く長持ちすることができるかということがイメージできなくても、国のお墨付きとして200年住宅という称号が与えられようとしています。いつも書いていますが、制度や法律で良いものは判断できません。でも、住まいを金儲けにしている業者たちは、制度を使って本質を見えないようにしてしまいます。昔から職人の知恵と工夫で長寿命の住まいを造ってきた伝統構法。今まで、長寿命という部分だけはどこにも負けないという思いがありましたが、その部分にまで住宅メーカーなどが手を出そうとしています。ものの見方を自分で学習する。本当に良い住まいを得るためにはそれしかありません。少し宣伝になりますが、それをお手伝いできるのが設計事務所なのです。人気blogランキング参加中。クリックお願いします!↑ の部分をポチッと押していただくだけでOKです。