失敗しない家づくり
「失敗しない家づくり」
なんか、住まいづくりの本のタイトルみたいですね。
このコラムで同じような話を何度も書いています。また、同じ話かと思われる方もおられると思いますが、どんな方に見て頂けるかわかりませんので、あえてまた一言。
耐震性能偽装問題で明らかになったこと。
簡単です。
安さを売り物にした住まいを買わないことです。
耐震偽装問題でもわかるように、安い住まいを提供するのは住まい手のためではありません。そこにかかわる企業が多くの利益を得るためです。
ですから、安さを売り物にした建物から、経営コンサルタントが1割近くの費用を取っている。安く売るためなら、そんなにコンサルタント料を取らねばいいじゃないか。
結局、安い販売価格から、たくさんの利益を抜いていきます。住まい手のための施工費はますます少なくなります。これで問題が起こらないほうがおかしいのです。
一戸建ての住宅でも同じです。毎日のように、TVで安さを売り物にしたビルダーの宣伝が流れます。安い施工費の中からコマーシャルや営業マンの費用が出て行きます。当たり前のように職人の手間賃は通常の半分以下です。これで、まともな住まいができれば、宝くじに当たるようなものです。
私の周りの工務店は、安い値段で施工がなかなかできません。利益を上げようと躍起になっているわけではありません。
利益を上げることなど二の次に考えていても安くならないのです。
なぜか、必要なことをしっかりやる、必要な材料を使う、腕の確かな職人に仕事をやらす、それが住まい手にきっちりとした住まいを引き渡す最低条件なのです。
もう一度、書きます。
安い住まいほど、多くの利益を追求しようとしています。
大手のハウスメーカーも含め、住まいを利益を得るための手段にしている企業は同じ考え方です。
この、考え方を肝に銘じないと、家づくりは失敗しますよ。