勝ち組と負け組

三和総合設計

2005年09月12日 16:10

衆議院選挙が終わりました。
自民党の歴史的勝利に終わったようです。
この結果、これからの世の中はますます「勝ち組と負け組」に分かれる世の中になりそうです。
なぜ、自民党が支持を集めるのだろう。前回の選挙では都市部で民主党が勝利を収め、自民党は農村部だけしか勝てないので、いずれ政権の交代は起こるのかなと思っていましたが、今回はこのような結果になりました。
結局、都市部には割りと裕福な無党派層がいるということかなと思っています。今の世の中には不満があるが、自分の居所が変わってしまうような変革は望まないというところでしょうか。
ですから、この無党派層は本質的に何が良いのかはよく考えない(違ったらごめんなさい)。自分は勝ち組の中にいると信じているのではないでしょうか。これが、非常に怖いことです。
住宅の世界では、人気のあるハウスメーカーや勢力を伸ばしてきているビルダーなどが勝ち組と思われています。ですから、勝ち組意識のある人たちは勝ち組のハウスメーカーなどを選ぶのです。
しかし、この勝ち組は、木の家や日本の国土のかなりの森林を保持していると宣伝しながら、外材の集成材を使うメーカーであったり、安さを売り物にし、極端な安い労賃で職人を使い、宣伝広告には、坪25.・・%からと書きながら、その下に、老眼でなくてもほとんど読めないような小さな字で、外部給排水工事だけでなく、内部の給排水工事も工事費に含まれていないと書いたりしているビルダーであったりします。
住まいの世界で住まい手に取っての勝ち組は、耐久性が高く、長持ちし、ランニングコストも安く、一生気持ちよくすごせる家を手に入れた人です。今の勝ち組は、住まい手が勝ち組ではなく、住宅メーカーが勝ち組なのです。
本当に怖いのは、住まいを建設して25年ぐらいたったときに、増改築をしようとしたときに、あまり良くない家を建てたのだということに気がつき、その時初めて、自分が負け組の一員であったことに気がつくことです。
今まで日本は世界の中で勝ち組だと思っていました。そのため、25年で家を建て直すことなんかへっちゃらでした。まだ、自分が勝ち組だと思っている方々はなんとも思っておられないかもしれませんが、これからはそうも行きません。
私が20年〜30年ぐらい経過している住まいの増改築の相談を受けた中で改造してそのまま使うほうが良いと判断できた住まいは、ほとんどありません。造る時の考え方がすべてです。
どうか、今後も住まいの負け組のような家がつくり続けられないようになって欲しいと願うばかりですが、声の大きさだけが届く社会において、どのような表現をすれば、正確に伝わるのでしょうか。