確認申請
確認申請という言葉が、最近、姉歯問題で一気に一般の方々に浸透しましたね。
私は、確認申請ほど世の中に本来としては意味のないものだと考えています。
世の中に悪いやつがいるという前提に、それを取り締まるために作られた制度なのです。
ですから、確認申請を通すためにかかる労力や費用は良い建物をつくるということから考えると無駄なものだといえるのです。
しかしながら、世の中には悪人がたくさんいるから、また、敷地も昔より小さくなってきたから、都市化が進み近隣関係に問題がおこると困るからなどさまざまな理由でやむを得ないところなのかもしれません。
この確認申請業務のために行政内部に大きな建築組織がつくられました。最近では今回の問題でもご理解いただいているように民間に仕事が移されるようになりました。民間といっても、申請を提出にいったら役所のOBが多いこと多いこと。
建築基準法は、一般の皆さんがご存知かどうかわかりませんが、建築物の最低の基準を定めていると法の第1条に書かれています。
こんな最低の基準を守るためのチェックもできない制度に、時間と費用をかけるのはまったくばかげた話です。
でも、多くの設計士や施工者、事業者は確認申請を通すことが「設計」だと考え、それで仕事ができていると考えているのも事実です。
私たちは、もともと建築基準法に適合しないような建物はつくっていませんし、本当に良い住まいはどうあるべきかと考えて設計をしています。
しかし、今回の問題でもわかるように、住まいを金儲けの手段と考える業者は、自分たちの販売のツールと考えているのです。
建築確認申請が通った建物。これは、建築物の最低基準をクリアーしただけの建物なのだということを一般の方々にもっと理解していただきたいと思います。