食の安全、住の安全
今朝、テレビを見ていたら、中国から輸入されたキャベツに基準の3倍もの農薬が検出されたという報道がされていました。
中国から輸入される野菜類はいつまでも腐らない。中国からのシイタケなども同じで、嫁さんと一緒に買物に行き、「おい。あの野菜安いぞ。」といっても、あれは中国産だからといって絶対買いません。中国も奥深い国ですから、そこから商品を日本に運んで来ようとすると、大量の農薬を使うのでしょうね。また、安い価格にしなければならないので、歩留まりを良く(だめになる商品を少なくする)しなければならないということで、さらに多くの農薬を使うのでしょう。
キャベツにしても、米国産牛肉にしても安さを追求すると、安全が無視されるということになるのでしょう。
本当に食の安全を考えるのなら、やはり地産地消ですね。生産地から消費地までが近いというだけでなく、顔の見える関係、逃げ隠れのできない地域の生産者というのが大事な事なのです。
住についても同じことが言えます。
少し前、シックハウスというのが問題になりました。ホルムアルデヒドという化学物質を中心に規制が掛けられることにより、もうシックハウスという話題は住の世界から遠ざかってしまいました。
しかし、まだまだ、一般の住まいには多様な化学物質が使われた建材が多用されています。法律で規制された化学物質が使われなくなっただけで、問題性が灰色のもの、安全性が確かめられていないものなどは、多くの住まいに使われています。
健康住宅というキャッチフレーズが住宅産業の中ではあまり使われなくなりました。お客さんを呼び込むための力にならなくなったためで、最近ではもっぱら「耐震」です。
今の住まいは食で言えば無農薬の食品になったわけではなく、国の基準内の農薬の使用量に収まったというのと同じ感じです。
健康住宅という呼び方自体がへんな感じですよね。
ハウスメーカー達は自分達が不健康な建材をたくさん使い、不健康住宅をつくり、法律の範囲内にその使用量を抑えることで「健康住宅」と大きな声で宣伝していたのです。
今でも、工業化された建材を使った住宅が一般的ですが、その住まいに入ると、健康住宅のはずなのに、すごく不快なにおいがするのはなぜでしょう。
結局、本当に健康を害することとのない住まいを造るためには、食の場合と同じく、顔と顔の見える関係が大切なのだと思います。住まう人の顔を思い浮かべながら住まいを造る。自分が専門家として恥じることのない住まいをつくることが大事です。
すべての職人さんが住まい手の顔を知った家づくりこれが大事ですね。
こう考えると、
安い職人をあちこちから集めてくるというオープンネット方式などはあまり良いやり方ではないと思います。