実験開始

三和総合設計

2006年02月12日 09:15

「実験開始」って何をするんだろう。

私たち、建築士は一般的に理論とデザインとで生きています。
住まいにおいても理論というものが重要なものなものなのですが、大工さんを中心に経験で築かれてきた木造住宅の世界ではまだまだ遅れたところがあると思います。
とはいえ、断熱の問題、耐震の問題などいろいろな部門で、理論の重要性が語られるようになってきたことも事実です。
では、大工さんを中心に、建築士の考え方に反発される方が多いのはなぜなのでしょう。
それは、その知識が薄っぺらいことだからだと思います。
理論、理屈が先にあるわけではなく、多くの経験を整理するとこういう考え方になるというのが正しいのですが、最近では、学校を卒業して2〜3年で独立して設計を始める人もあり、奇抜な考え方が受けて(受けるのならいいじゃないかという考え方もありますが)木造住宅の設計を行なう方もいらっしゃいます。
デザインなどは感性ですからもって生まれたものもあると思いますが、そのベースにあるべき基礎知識が、書物や最近ではインターネットで得た自分の体験がまったく噛んでいないものが多いからではないかと思います。
もちろん、なんでもかんでも経験することは無理ですが、職人さんと話したりするだけで、自分の書物から得た知識でも生き生きとしたものにかえることができるのですが、建築士というのはいつでも人の上に立たなければ気がすまない人も多く、職人さんに「わからないから教えて」の一言がいえない人も多いのです。プライドが服を着て歩いているようなものです。


そういったこともあって、私は職人さんとの交流を大事にするとともに、できるだけ自分で体験できることは自分で行なうことにしています。
そうすることで、腹の底から自分の意見を自信をもって住まい手の方々に伝えることができると思うのです。
そういう経験をし、仕事の良さ、問題点を理解し、その上で、良いものを作るためその道のプロにその仕事を任していくという考え方なのです。

前置きが長くなりましたが、今回はその一つをご紹介します。
国産の檜や杉は、外国産のホワイトウッドの集成材に比べ、はるかに防腐性能、耐蟻性能が優れています。これは自明のことで、あえて説明するまでもないことなのですが、最近のハウスメーカーの住まいや建売住宅に多用されています。
なぜだろうと考えたときに、その重要性についての危機感が足らないのではと考えました。
そのためには行動が第一ということで、知り合いの製材所にお願いして、柱の端材を手に入れ、事務所の土の部分に2箇所埋めて様子を見ることにしました。

結果は時間がかかりますので、時期をみて皆さんにお知らせしたいと思います。