「家づくりフォーラム 三方よしの木の住まい」が開催されました

三和総合設計

2006年02月24日 08:57

「家づくりフォーラム 三方よしの木の住まい」が開催されました。

このフォーラムは、滋賀県が進めている「滋賀らしい環境こだわり住宅」の推進のために開催されました。
「滋賀らしい環境こだわり住宅」は県産材の活用と顔の見える関係での家づくりを目標とした取り組みです。
滋賀県では、昔の近江商人の言葉に「三方よし」という言葉があるのを良く引用されて使われます。
買い手よし、つくり手よし、世間よし。という今の木造在来工法建築にうってつけの言葉ではないでしょうか。


フォーラムは2部で構成され、1部は木の家ネットの会員で、金沢工業大学、秋田県立大学名誉教授の鈴木有先生に「地域木材を活用した三方よしの住まいづくり」というテーマでお話していただきました。
講演では、地域木材を活用した住まいづくり運動の経過と今後の課題や木造住宅の持つ環境性などについてお話していただきました。

第2部では、三方よしの実例報告として、「木の住まいづくり現場から」ということで、住まい手、森林組合、大工職人、ネットワーク活動実践者のパネルディスカッションを行ないました。
パネルディスカッションのコーディネーターは私が勤め、大工職人の報告は同じく木の家ネットの会員の宮内寿和氏が担当しました。
住まい手の報告者は、私どもが設計担当し、同じく木の家ネット会員の坂田工務店が施工をした「大津の森の木で家を建てよう!プロジェクト」で住まいを建設させていただいた施主さんが担当してくれました。
特に、住まい手の方の報告は、家づくりの本音に迫るところがあり、私たち木の家を推進しようとしているものたちに鋭い課題を与えていただいたように思いました。
また、宮内氏の発表は、職人の本来のあり方と家づくりにおいての設計者との協働について言及され、短い時間の中で、鋭い視点での素晴らしい内容のものでした。


その他にも、会場の後部で、地域材を活用した住まいづくりに取り組んでいるグループの活動展示発表が行なわれ、同じく木の家ネット会員の川村氏などの取り組みなども来場者に興味深く見られていました。


このフォーラムでの結論としては、地域材を使った住まいづくりに大切なものは「地域材」ではあるが、それだけでは不足で、顔の見える関係そのものが重要なものなのである。地域材というのはその重要なファクターの一つに過ぎないものであるというようなところであったように思います。