「ナラ枯れ」現状と被害木の活用
今日の朝刊から。
「ナラ枯れ」現状と被害木の活用を探る「炭焼き体験」が京都府や京都大阪森林管理事務所などの主催で3月11日に開催されるようです。
開催の内容は、「ナラ枯れ」の原因や被害状況を聞いた後、被害木を切り出し、午後になって京都精華大キャンパスにある炭窯で木炭作りを体験するそうです。先着40名。参加費は500円だそうです。(申し込み、問い合わせは京都府庁森林保全課)
里山のナラやクヌギなどは薪炭林として利用されてきましたが、石油やガス、電気などのエネルギーに取って代わられて、人の生活と関連が薄いものになっています。
しかしながら、木材の良いところは環境性です。地域の水源涵養やCO2問題などに寄与しながらエネルギー活用できる良いところがあり、何よりも良いところは再生可能な資源であるということです。
石油をはじめとする採掘資源は一旦掘り出すと再生することはできません(すごく長いスパンなら可能かもしれませんが)。その資源を燃料にすると、CO2は発生するばかりで地球温暖化の原因になるのです。
木材はその点、燃料にするとCO2が発生するのは同じなのですが、新たに木が生長するにあたりCO2を吸収するので、CO2は増加することはありません。これほど優れたエネルギーなのですが、取り扱いのしやすさやスピードを要求する社会の中で捨てされれてきました。
今後は、森林国日本として見直されていく部分もあるでしょう。
環境面のほかに少し木の利用についてもお話したいと思います。
写真は「ナラ」で造ったテープカッターです。
端材工房で作っているものの一つですが、ナラの美しさはすばらしいものがあります。
ナラは乾燥させるのに時間がかかり、途中で割れなどもたくさん生じますが、充分乾燥させた材は、木製のおもちゃや家具などすばらしい素材として利用できます。ナラのおがくずは燻製をつくる時の薫材としても利用できます。何から何まで利用できるのが木材の良いところですね。
最近の建材は木材に見える印刷を施したプラスチック材が多いのですが、よく見ると木目柄はナラが多いようです。
そんな美しい木材が、「カシノナガキクイムシ」と言う虫と共生しているナラ菌によって枯れ死に追い込まれているようです。