電話台

三和総合設計

2006年03月12日 07:54

先日、ヨーコさんが生活家具の紹介をしましたので、私も一つ。




写真は下部が本棚やガスストーブ置き場になっている電話台です。
ここでの工夫はなんと言っても手づくりですから、必要なサイズに作成し、すべてがぴったり収まってています。手づくり家具の良いところはここですよね。

もう一つの工夫は素材です。
杉材でできているのですが、こちらは住まいをつくった時の間柱のあまりをはぎ合わせして幅広板にしたものでつくっています。さらに、その間柱は、高知県で作られたものですが、FJ間柱といって、フィンガージョイントで建て継ぎすることにより短かな材料を建材として再生させたものなのです。構造材や造作材を作った時のあまりでできた間柱のそのまたあまりを使って造ったものがこの電話台ということです。
手間を考えれば決して安いことはないのですが、建物の雰囲気にも合いますし、オーダーサイズで有効活用できるのでメリットはたくさんあります。
手づくりであれば何でも良いということではありませんね。かかる費用に対してどんなメリットが出せるのか、このあたりが技量の見せ所なのですが、手づくりだということだけを強調し、ソフト面がかけていることも多いように思います。

ところで、このFJ間柱ですが、もう販売されなくなっています。フィンガージョイントで縦継ぎしているので強度は大丈夫だろうかと心配しましたが、一つずつ強度検査してあるためまったく問題はなく、むしろ寸法性が良いので、狂いは少なく使いやすかったのですが、製作に関わる人が退職したためもう作れなくなったようです。
地場産業の悲しさですね。大量生産は本当に良いものを求めるのは難しい。しかし、一品生産となると人に頼るため、安定性にかけるということでしょうか。

地域の地場産業があちこちで再生され、手づくりの味わいがあり、長持ちする住まいが造れるようにもう一度なりたいものです。