大津市でのパークアンドライドの取り組みが新聞に掲載されていました。
パークアンドライドというのは、車で駅まできてそこから公共交通を利用して移動すると言うものです。
私は、大学時代に建築学科の中の都市計画を卒論で専攻していましたが、その当時から交通問題の解消にパークアンドライドという方式が提唱されていました。
その後もう30年近くになりますが、パークアンドライドの仕組みがうまくいっているという話を国内では聞いたことがありません。
今回も国土交通省と大津市の両者の試みと書かれていますが、調査するまでもなく良い効果は得られないでしょう。
もちろん、マイカーを制限して公共交通を利用することに反対しているわけではありません。
パークアンドライドの仕組みが成功する条件がそろっていないということです。
そもそもパークアンドライドは混雑する街中に車を入れずに、郊外などに駐車場を設けますが、大津市での取り組みは駐車場の施設を、浜大津にある公共駐車場としています。一番混雑する部分に駐車場を設けてもあまり意味がないと思います。
この浜大津の駐車場は現在あまり利用されていません。
そんな駐車場を少しでも利用させたいというだけの取り組みに見えてしょうがありません。利用率や採算を考えるなら、もう少し料金体系を考えるなどしたほうが良いと思います。
また、公共交通を利用して向かう先を観光地の寺社などを想定していますが、その寺社には駐車場が確保されています。
そこを制限しないと公共交通を利用する人は増えません。
観光地の駐車料金は高いのですが、時間に追われた生活を余儀なくされている国民にとって、たとえ観光の時でも、時は金なりという感じでピンポイントで移動できる車の利用をやめることは難しいでしょう。
もう一点。観光地での駅からのアクセスが全く楽しくないということがあります。
駅を降りるとみやげ物やが並んでいたり、風情のある街並みが続いていたりすると楽しいのですが、大津市の石山寺、三井寺、日吉大社などいずれも駅からはどうしていったらよいのかわからないぐらい閑散としています。
このように車の利用の制限は簡単にできるものではありません。
本当に制限するつもりがあるのなら、いろいろな政策を同時に進めるしかありません。
大津市のパークアンドライドの試みは何年か前にも実施されたように思いますし、その時の結果も全くひどいものだったように思います。
こんな試みでも公務員の人件費が使われて行なわれます。
もっと有効性の高い内容として欲しいと思います。