若い大工さんたちとの交流
前回のブログでも書きましたように、18日と19日は三重県で木の家ネットの総会が開催されました。
全国各地から、木の家づくりに取り組んでいるものたちが集まり、年の締めくくりの総会を開催しました。
総会といっても、普通の会のように活動方針や会計報告など一切なしです。
基本理念に基づき活動し、変更になることのみ確認し、会員相互の意見交換や交流にもっぱら時間を割くことになっています。
食事が終わった後の分科会は、夜9時からスタートし、終わりの時間は不定です。一応夜中の12時には終わりになりましたが、まだまだ尽きぬ話が続けられていたようです。
私は、次の日の予定のために朝早くの出発が予定されていたため、夜中の12時で終わりましたが、もう少しあちこちで話をしてみたかったです。
私が参加した分科会のテーマ(4つあるうちのひとつ)は、設計者と大工さんとのかかわりについてという内容です。
住まいをつくる時に、設計という作業と実際造るという作業と両方大事な作業なのですが、現実には設計事務所が設計した場合、大工さんとトラブルになっているケースがかなり多くあるのです。
若い大工さんからは、今までの経験で、設計事務所の仕事はもうしたくないというような意見が出されました。現場のことがあまりわからない設計者や施主さんの予算をうまく調整できない設計者と一緒に仕事をするとひどい目にあう。こんな話が中心でした。
こういう話は私たちもいつも感じていることです。
同業の設計者の中には、若い大工さんたちが不満を感じる設計者が多いのが実情です。自分の設計理念を押し通し、無理難題を押し付けることにより出来上がる住まいは、住宅雑誌で見ると美しく出来上がっていますが、そこには施工者の努力の結晶と金銭的な負担が詰まっているのです。
二度とあの設計屋さんの仕事はしたくないということになるのですが、ほかの大工さんがあの有名な設計屋さんの仕事なら一度やってみようかということになり、そんなことが繰り返されながらも、不満が多い設計者の仕事は続いていくのです。
木の家ネットに参加している設計者は現場のこと、予算のことなど十分に理解して進めようとしているということが分科会を進める中でわかっていただきましたが、割合としてはまだまだ少数なのが実情です。
逆に大工さんの世界で考えてみても同じようなことがあるのも話が出ました。
しっかりとした仕事をするために、現場小屋を確保し、日々努力している人もおれば、車に道具一式を詰め込んで、適当に仕事をこなしていく大工も多いということを感じていました。
結局、設計者にしても大工さんにしても、きっちりしたもの同士ならお互いのよい面を活かしてよりよい住まいを造ることができるということが確認できました。
そのためにも住まいづくりに本気で取り組んでいるものたちがわかっていただけるように、木の家ネットのようなところでどんどん発信していこうということになりました。
短いブログで書ききれない内容の分科会でしたが、更なる努力を続けていこうということで締めくくりされたように思います。
来年は、総会が徳島で開催される予定です。