京都市の新景観保全案

三和総合設計

2006年11月25日 07:44

新聞記事によると、京都市は都心部だけでなく市域全域で建築物の高さやデザインを規制する景観政策案を発表したそうです。

高度地区では45mの高さ規制を廃止し31mに、町屋が多く残る西陣地域などで20mから15mに引き下げる案が考慮されています。
建築物の外壁色彩基準も明確化され、なんといってもすごいことは、屋上に設置する屋外広告も市域全域で禁止するようです。

すばらしいですね。
観光が主要な産業である京都だから可能なのかもしれませんが、これで京都も一流の都市になっていくでしょうね。

以前にもブログに書きましたが、量販店の屋上看板にはいやになってしまいます。
狙い通りなのでしょうけれど、車でどこを走っていても目に付くいやらしい看板。都市景観を破壊していることは間違いないですね。
それを規制するだけでもまったく違った街になると思います。
ヨーロッパの風景と日本の風景や東南アジアの風景、どこが違うのかと考えたときに、色使いの統一などもありますが、醜い看板がほとんどないことが一番の違いです。

宣伝広告も少し方法が変わってきました。
インターネット時代になり、誰もが情報をネットで手に入れることもできるようになりました。そのため、都市部に大きな看板を上げなくても、商品の購入者は前もって情報を得て店に出向くことができるようになりました。

京都市だけでなく、地方都市や農村部でも同じような規制を実施して欲しいものです。
企業にとっても高くて大きな看板を上げなくても、宣伝広告が可能な時代になっていると思います。
そういう時代になれば、お金を持って大きな看板を製作できるような企業のみが宣伝できることではなくなり、小さくても優良な企業が対等に競争することができるようになります。

インターネットなどの情報で、店の近くまで出かけると、昔のようにおしゃれで凝った看板が道沿いに並ぶような美しい光景をつくることができるような気がします。

どうか、この京都市の景観保全策が実施に当たって骨抜きにならずに、良い効果をほかの地域にまで与えて欲しいと思っています。