色使いの難しさ
色使いは難しいですね。
以前も建売住宅に派手な色が使われていることを書きましたが、色というのはうまく使うと物をいっそう華やかにしてくれますが、ひとつ間違うととんでもないことになってしまいます。
今日の朝刊によると、彦根城のライトアップが彦根城築城400年祭りのプレイベントの一環で、赤色にライトアップされていたのが従来どおりの白色照明に戻されたようです。
なぜ赤色かというと、照明デザイナーの計画では白色だったのですが、実行委員会や市民の意見を取り入れて『井伊の赤備え』をアピールするため既存のライトに赤色のフィルターをかけたようです。
市民や観光客からの意見では、一部好意的な意見もあったようですが、「天守閣が炎上しているみたい」「白しっくいの壁が台無し」などの否定的な意見が多く寄せられたようです。
私も新聞の写真で見ましたが、一言で表現すると「気持ち悪い」という感じです。
テストをしなかったのでしょうかねえ。
いずれにしても、色というのはその素材の持つ性質と、そこに当てられる光の状況によって決まります。
いくら有名な「井伊の赤備え」といっても、武具に塗られた色を建築物に投影してしまおうというのは無茶な話です。
天守閣に夕日が当たると一時的に赤く染まることもあるのではないかと思いますが、これは自然のなせる業。時間とともに微妙に移り変わる風景と、人間が単純な発想で考えた事柄とはおのずと違いが出てきますね。
以前も、風致地区や美観地区などの申請で、派手な色にならないようにと役所から指導があったときも、指導する人の色に対するセンスのなさにあきれたこともありました。
派手な色ってどんなものでしょう。
そのときの指導では、赤や黄色などはだめ、土の色に近いものにしなさい。白や黒はOKですなどと、単色での指導でした。別に大きく間違っているとはいいませんが、色は周囲の状況や組み合わせによってまったく違った状況になりますよね。
赤や黄色などを使っても派手に見えることもない場合もあります。白や黒は色調としては派手ではありませんが、くっきりと明快な感じがでることもありますよね。
だから、色に関してはそれぞれの状況を充分踏まえたうえでの判断が必要になると思います。
今回もプロのデザイナーの意見に、周囲がいろいろと意見をつけたようですが、もう少し充分な検討が必要だったのではないでしょうか。
今の時代、CGやコンピュータ処理が可能です。
擬似的にも赤色のライトアップをしたらどんな感じになるかもシュミレーションできたと思うのですが。。。。