現場の休憩時間のできごと

三和総合設計

2007年06月21日 06:47

静かに始まりました、建築基準法の改正。
私たちのまわりでは、大変だ!困った!なんてひどい改正だ!って言う声がたくさん聞こえているのに。
ニュースや新聞記事もこの話題はほとんど触れていない。
今朝聞いたニュースでも

20M以上の建築物は構造の二重チェックが行われるようになります。
ただ、チェックする人材が少ないので、夏に向けて講習会などで増やしていく予定です。

といった、考えられないほど簡単に済ませられている。

先日行った講習会では、とてつもなく分厚いテキストを渡されたのに説明はおおざっぱ。
結局のところ、20日にならないと細かいことはわからないとのこと。
なんのこっちゃ!って感じです。
時間割いて行っているのに腹立たしいやらなんやら。

それでもその時点でいろいろ大変なことがわかってきました。

申請書類に関して、ミスはもちろんうっかりミスも許しません。
ミスをしたら、一から申請をやり直しして、そのたびに費用も支払なさい。

工事中に構造に関しての変更は認めません。
変更するなら、また一から申請を出して審査してもらいなさい。
許可がおりるまで、工事はストップです。

申請に必要な提出書類も増えますから、注意してください。

などなど・・・・・

おとといも現場の休憩時間にその話題を持ち出しました。
現場で働く職人さんたちは、この法改正があることも内容も知らない方が多いのです。
説明会のお知らせもも机上の仕事をしている人にしか知らされなかったりします。

これからは、こんなことやあんなことが起こってくるんやで!って出来る限り説明。

大工さんが、
要するにお施主さんにとっていいことやなと思っても、変えたらあかんのやな。
間違いやこうした方が建物が強くなるなとわかっても、変えたらあかんのやな。
変えたらお金がかかる、時間がかかるってことやな。

まっ、ちょっと違うかもしれんけど・・・・そうやな・・・と私。

続いて、
そんなややこしいことになったら、わしらみたいな職人はやっていけんようになるなあ。
真面目な設計屋さんや工務店もたまらんわなあ。
世の中の設計屋さんも工務店も半分くらいなくなるんちゃうか・・・。

そう、そうなんですよね。

ずるいこと、悪いことを堂々としてきた人をなくすための法律なのに、
真面目に正義感をもって仕事をしてきた人もひっくるめて苦しめる法律になっているのです。
悪い人に合わせてつくられるのが法律だから仕方ないといえばそれまでだけど、
厳しくなればなるほどその上をいく「ずるい人」はいるものです。

正直者は馬鹿を見るような住まいづくりになってほしくないですよね。
悪は正さなければなりません。
でもおかしいことはおかしいと言わなければならないし、
現場で真面目に働く人にもきちんと伝えて、声を聞いてほしいです。

職人さんたちの休憩時間をつぶしてしまって申し訳なかったけど、真剣に話をしてくれました。こんな方たちとずっと一緒に仕事がしたいです。
法律で、真面目な人たちがつぶされないように、私たちのできることを頑張らねばと思いました。