穴あきダム

三和総合設計

2007年09月05日 07:07

滋賀県大津市に計画されていた大戸川ダムが穴あきダムとして建設されるようです。

大戸川ダムは2年前の整備局の方針で、現状では下流への治水効果が少ないとして事実上凍結されましたが、先月「中流の桂川などの河川整備が進むことにより、淀川の流量が増える」ということで建設が推進されることになったようです。

大戸川は大津市から信楽にかけたあまり大きくない河川ですが、事業が凍結された後も残工事として整備は続けられていました。
最初から「建設ありき」だったのではないでしょうか。

ただ、今回の方針では、ダムは穴あきダムとして水需要は考えないため、総貯水量は3分の2程度になるためダムの高さも低くなり、事業費も400億円も少なくなるようです。

治水という問題は難しいですね。
まず、ダム建設となると生態系などに悪影響が出るという問題があります。
そこで、少しでもましな穴あきダムということですが、穴あきダムが本当に環境に優しいのかどうかの結論は出ていないようです。
しかし、治水ということになると、平常時ではなかなか判断できない問題ですね。
災害は忘れたころにやってくる。そのとき、あのダムがあって良かったということになるのかどうかわかりませんね。
災害が起こってしまうと、ダムを造っておけば良かったということになるのですが。

いずれにしても昔のようにゼネコンのための仕事づくりに終わらないようにしてほしいものです。
国民の税金を使った事業ですから、本当に必要な部分に使っていただかなければなりません。
また、他の問題をそのまま放置して手当てするような事業もやめてほしいと思います。

問題の根本を直していくという考え方に基づいた事業をお願いしたいと思います。