国産材時代の到来?
そんな言葉をずいぶんアチコチで聞かれる様になってきました。
本来なら喜ぶべきことなのですが、何かしら新たな課題を含んだいやな空気を感じます。
今まで散々、安いと言うことで使っていた外材が、中国などで需要が高まり価格がかなり高くなってきて、それよりも今は安いということで国産材に目を向けられてきたとのこと。
先日、テレビでこの話題が少しでしたが放映されていました。
その番組の中で、あるハウスメーカー(確かきこりんの宣伝メーカー)が、国産材を使う量を今まで7%だったのをこれから51%にまでするとの話をしていました。
その理由は、国産材が外材よりも安いので、コストが十分見合うので使っていきたいと思いますとのこと。
何かおかしいと思いませんか?
コストのことしか考えていないようにしか聞こえません。
山のことや将来の山の姿がコメントしていた方から想像できませんでした。
価格が安いということだけで、大手のメーカーにどんどん使われていったらどうなるんでしょうか。
その価格は次に植林できる費用まで考えた価格なのでしょうか。
安いということと、需要量が必要以上に多くなったら、伐採に時間や費用はかけれれなくなるんじゃないでしょうか。そうするとどんどん一辺に伐採されて、山はハゲ山になることはないんでしょうか。
とても不安です。
滋賀県でも合板工場に木を使ってもらおうという動きがあるようです。
間伐材利用で頭を痛めていたところに合板工場から提供してくれないかと言う話があり、ここぞとばかり乗っかろうという動きのようです。
間伐材利用だけを考えたらそれもかなり有難い話だと思います。
でも、聞いてみると・・・・・
ひとつの工場で年間の丸太の需要量は、滋賀近辺の福井や京都の素材生産量の合計(平成17年度の)に匹敵するとか。でも合板に利用されるのはいわゆるB材と呼ばれる曲がりがあったりする低質材。今のところは使えるものと使えないものを区別して使えないものだけを提供するつもりだそうですが、
材料不足になったら・・・いいものも出すんじゃないですか?
そのときの価格は次の植林まで考えた価格でしょうか?
それでも分別して伐採し続けますか?
間伐して手間のかかる搬出作業を続けますか?
一度に大きな面積を伐採してしまいませんか?
そのあと木は育ちますか?
聞くところによるとこのようなことに対してきっちり答えられる確固たる信念はまだないようです。
山は個人の持ち物ですが、環境を守っていくためにはとても大切なもので、みんなの環境財産です。
人がこれからも生き続けていくためには、なくてはならないものです。
長い先を見据えて、冷静にしっかりとした根拠でもって取組みを考えて行って欲しいと思います。
滋賀の山が近い将来ハゲ山にならないように願います。