ミサワ対決

三和総合設計

2007年10月12日 08:14

日本住宅新聞によると、ミサワホームの元社長の三沢千代冶氏が、国産材の5寸角を使用した工法で工務店業界をまわり、「一緒にやりませんか」と勧誘しているそうです。

同氏は日本に輸入材を主とした木質プレハブ住宅を持ち込んだ人で、今の住宅業界をおかしなものにした張本人だと思います。
その方が、プレハブ工法や外材、ハウスメーカーの問題を本当に反省しているならば良いのですが、どうやら「プレハブ住宅は頭打ちだ」「大手住宅は頭打ちだ」と指摘しているそうで、本当に反省しているのではなくミサワホームのやり方ではお金儲けができなくなったというように考えているだけのようです。

そもそも日本の住宅がおかしくなっている(一般の人はそう思っていないかもしれませんが)のは、住宅を金儲けの対象としたからです。

工法そのものが問題なのではありません。

ツーバイフォーにしてもプレハブ住宅にしても、耐久性のことを考えないなら湿気の多い日本でも問題ないと思います。
最初から短い利用期間を考えた住宅として一部の住宅に採用されるのなら問題はないと思いますが、ハウスメーカーなどの宣伝により、あまり正確な情報が住まい手の方に伝わっていないことが問題なのです。(もともとプレハブは選挙事務所などのように短期間の利用や再利用にメリットがある工法なのです)

むしろ工法よりも、住宅を商品として儲けようとする企業の存在が問題なのです。

儲けるということとお金をいただくということは同じことではありません。
大手企業は住宅を対象とし、利益の追求を行います。数を追い、できるだけ安く造ったものを高く売る。このようなやり方が問題で、地場の工務店ができるだけ良いものを住まい手に提供し、その対価をいただくというのと訳が違うのです。

そういっても最近では地場の工務店でもお金儲けに奔走している工務店も増えてきました。
元気の良い工務店ほどその傾向が強いように思います。

今回の三沢氏が在来工法を引っさげて工務店業界をフランチャイズ化しようとしている。
まじめな、しかし弱っている工務店の弱みに付け込み、ますますおかしな住宅産業に陥らせようとしているとしか私には思えません。

住宅新聞では、「業界筋では三沢対決が始まったのではという見方が出ている」と結んでいますが、地場の工務店さんがだまされないように願いたいものです。

私の廻りにも大手のS林業のフランチャイズに参加し、まったくメリットがなく退会した工務店がいます。
フランチャイズに入らなくても、やる気と工夫のある工務店は必ず住まい手に受け入れられます。
逆にそうでない工務店はフランチャイズに入っても、芽が出ることはなく、高いフランチャイズ費用をむしりとられるだけなのです。