全国学力テストの結果

三和総合設計

2007年10月25日 07:27

全国学力テストの結果が新聞に掲載されたり、テレビで報道されたりしています。

基礎学力を見るテストですから、点数が良いのにこしたことはありません。

その分析で、地域格差とか経済格差とか公立と私立の格差とかいろいろな話が出ています。
そういった分析がひつようなのでしょうか。
子どもの学力を伸ばすために、経済力のある人はより勉強させるために私学に入れたりします。そうすると、私学は公立よりも点数が高いとか、親の経済力がある場合は点数が高いとかいうようになります。

テストの成績の良し悪しは、人間ですからばらつきがあって当たり前です。
そのばらつきがあっても個々の良さを活かして仕事ができる仕組みづくりが重要なのではないでしょうか。
テストの点が良いのだけが良いことで、テストが悪いと悪い人間のように勘違いされる社会になるほうが、将来の日本にとって問題だと思います。

基礎学力のテストだから誰もが出来るように、個々に差が出来ないようにという考え方もわかりますが、ばらつきのある学力をきっちりと持ち上げていく仕組みが今の教育制度にはありませんね。
いや、そんなことが必要でしょうか。

小学生のころのことを思い出します。
足し算が苦手な子や九九が苦手な子はいましたがその子たちは今大人になって足し算や九九が出来ないでしょうか。
そんな人はいないと思います。
教えるスピードについていけないだけだと思います。
それを丁寧に教えることなしに、将来の受験に向けてどんどん詰め込んでいく。
本当に日本の将来にとって必要なことなのでしょうか。

日本の技術を本当に支えていた中小企業の技能者の方々は成績が良かったのでしょうか。
住まいをつくる優秀な職人さんは成績が良かったのでしょうか。
良かった方も悪かった方もおられると思いますが、そんなことより、一つのことに打ち込む思いが重要なのではないでしょうか。

仕事をするのに最低必要な学力というのはあります。
今の教育はそういった学力をつけさせるための仕組みがあるでしょうか。
大学受験(大手企業への就職)を頭に置いた教育のやり方の中で、基本的な学力のテストをやっても意味が無いのではないでしょうか。

どうしても日本の学力を上げたいのなら、大学受験までもう2年ぐらい教育をのばし、基礎学力をしっかりと教える時間を確保し、大学のだらだらした4年を1年程度短くすることを考えても良いのではないでしょうか。
大学でもっと勉強したい人は、大学院という道もあるのですから。

日本の将来を根本的に考えないテストや分析はあまり意味が無く、むしろ国民に誤った考え方を植えつけるだけではないでしょうか。