日本の森が消える...?
今日のテレビ東京系(滋賀ではびわこ放送)の夜の番組「ガイアの夜明け」で「日本の森林が消える・・・?もうかる林業で森林を守れ」という内容で日本の森林についての話題が取り上げられます。
皆さん、一度見てください。
このテレビ放送の内容については、木の家ネットのメーリングリストでも話題になっています。
この放送の中で取り上げられている人物は3人。特に「森の木を売る男」として中国木材というベイマツの輸入木材を扱っていた会社が取り上げられますが、それについての問題が話題の中心です。
中国木材は、ベイマツ材をそれもとても目の荒い、地域の工務店に木材を卸している材木屋さんならほとんど扱うことのないものを「ドライビーム」と名前をつけて、乾燥材として建売業者やハウスメーカーなどに数多く売ってきた会社です。
住まい手からのクレームさえなければ良いという会社が使う木材を、あまり良質ではない丸太を中心に輸入してきた会社が今の日本の林業を救うことができるのでしょうか。
この中国木材が話題に取り上げられるのは、集成材の外側だけベイマツ材を使い、内部に杉材を使うハイブリッドな材をつくったからです。
このハイブリッド材を使うことにより、日本の杉材の大量消費を図ろうとするものです。
いつも書いていますが、そんなやり方で日本の林業が再生されることはほとんどないでしょう。
中国木材のような会社は、木材というアイテムを使って利益をあげることしか考えていません。今、ベイマツ材の価格が値上がりしています。そのため、日本の杉材を安く買い叩いて利益を上げようと考えているのです。
今の建売業者達はベイマツ材を使わず、ヨーロッパ材の集成材をクレーム対策として使い出しています。それに対抗して自社ブランドを打ち出しているだけで、日本の林業のことを考えた行動とはいえないでしょう。
ですから、杉材の値段が上がればもう使わないでしょう。
日本の山のかなりの割合を所有していると宣伝しながら、外材の集成材を使うハウスメーカーのS林業などを見てもわかるように、自分達の利益を追求するための手段でもって日本の山を救うことはあり得ません。
外材はいつも良材を選んで使われるのではありません。
日本の木材に似ていて、質はあまり良くなくても価格が安ければ良いという使われ方をしてきました。最初はベイツガが柱として多用されましたが、価格のメリットがなくなればほとんど使われなくなりました。今度はベイマツです。ベイマツも価格が上がってきましたので、違う材料にシフトしようとするものです。
日本の山を救うには、日本経済の中で本当に林業が自立できることしかありえません。そのあたりがどのように表現されるのかを注意深く見て行きたいと思っています。
テレビを見た感想も後ほど書いてみたいと思います。