堤防に植えられた特定外来植物

三和総合設計

2006年04月12日 06:59

滋賀県が河川工事の際に堤防の法面(のりめん)に植えた草花の中に、環境省が二月に特定外来生物に追加指定した草花が含まれていることがわかったそうです。

琵琶湖の湖岸を通る湖周道路は信号も少なく、邪魔になる電柱なども少なく、琵琶湖を眺めながら快適に走れるのですが、その湖周道路の近江八幡市の長命寺川の堤防沿いには5月から7月ごろにかけて、北米産のオオキンケイギクが黄色い花をつけます。
何年か前から、道路を走っていると黄色い花がとても美しく、毎年花をつけるので、河川の保護のための植えられたものだろうけれども綺麗なものがあるのだなと思っていましたが、その繁殖力などから、特定外来生物に指定されるようなものだったのですね。

結局、県は堤防の土砂の侵食防止と緑化を目的に、「根が強くて定着が早い」外来種を含む混合種を植栽してきたらしいのです。
ここでも、「安くて早い」ですね。
国全体の生態系に影響を与える植物が後から指定されたとはいえ公共工事に使われているのは問題ですね。
私たち県民は、専門家ではないので「綺麗なものだ」などと思っていたのですが、いろいろな問題があるものです。
社会全体にこのような状況が蔓延しているのですね。
安い、早いなどを目標にして何でも進める。お役所は「その時の基準で判断しているから問題ない」と答えるのでしょうけれども、植栽するときに本当に専門的な知識を持った人が判断していたらそういう種は使わないほうが良いという判断になったのだと思いますが、法律や制度に照らし合わせるだけで施工されたのでしょう。

いつもと同じ結論ですが、もう少し物事をじっくり全体的に考える社会に戻さないといけませんね。