輸入木材の合法性?

三和総合設計

2006年04月25日 07:21

五月に日本に到着する船にインドネシアで違法伐採された木材からの合板が積まれた可能性があるとして、グリーンピース・ジャパンが環境省と林野庁に合法的なものであるか確認するように求めているようである。

以前から、日本の商社を通じて東南アジアから違法伐採された木材が日本に輸入されているという話を何度も聞いたことがあります。
東南アジアだけでなく、最近ではロシアからも多くの木材が輸入され、伐採された土地は二度と樹木が生えないような状況にあると聞いています。
今回違法伐採された可能性がある木材は、合板に使用されているらしいですが、合板は最近の住まいづくりに非常に多用されています。
木の住まいづくりを行なっている人々は合板ぎらいが多いのですが、私は合板の使い方に問題があるのだと思います。
木材を何層か重ね合わせ、強い板を作り出す。これは重要な技術です。その貴重な技術でつくられたものを、住まいを安くつくるためだけに多用することが問題なのです。合板を安く作るため接着剤にあまり良いものを使わない。そのためシックハウスが発生しました。
最近では、建物の耐力を出すために筋違などの代わりに耐力壁として利用されていますが、エアガンでバンバン打ち込んで釘のめり込みが大きい場合,、耐力低下が激しいことも判っていますし、外壁内部と外部を遮断することにより建物の耐久性が低くなることがあったりしても、施工手間賃を省くために多用されているのです。

本来、合板や集成材は元の素材を加工してつくるわけですから、無垢材より高くなってもおかしくありません。それを住まいづくりに重要な職人手間を省くのに使いながら、なおかつ、材料費も安く押さえようとするわけですから、他国の国土から違法伐採された木材を使用するといったこともおこって当たり前です。
今回の調査要求に対してどのような結果がわかるか分かりませんが、状況証拠としては充分ありうる話しです。

日本の住まいづくりもそろそろ変わっていかなければなりません。
自分だけが安く(耐久性を考えると必ずしも安いと言えませんが)住まいをつくるというやり方ではなく、自国の環境も他国の環境も、自分の住環境も、地域の環境も、すべて考えて本当に安い建物を造っていかなければならないと思います。