あたり前だけど大切なこと

三和総合設計

2006年06月10日 11:06

縁あって、ある民家の改修のお手伝いをさせていただくことになり、先日その打合せにお伺いしました。

家主さんは家を改修することに意欲満々です。
普通の施工者さんだったら、その意気込みに悪気はなくてもここぞとばかり家主さんの思いを実現することに邁進するのではないかと思いますが・・・
そのときに棟梁が家主さんにお話されたこと。

家をさわるということは、それによってみんながしあわせにならなあかん。
みんなによかれと思って、お金をかけていろいろしても、みんながしあわせになるとは限らん。
次の世代の方が望んでいないことやったら、いくらりっぱなもんを残してもそれは「おしつけ」にしかならへん。
大層なことをしたら体力もいる。それによって体をこわしても家族はしあわせにはならん。

わしがいうのは変かもしれん。意気込んでおられる気持ちに水をさすようなことを言うてるかもしれん。
そやけど、家っちゅうもんはそういうもんや。
家を建てる大工はいろんな人がしあわせに暮らせるように仕事をせなあかん。そやけど、一歩間違えたら、いくらりっぱな仕事をしてもとんでもない罪を犯すことにもなる。悪気がなくてもや。わしはそんな罪を犯したくないから、水をさすようなことを言うんや。
家は、家族がしあわせに暮らせるように、またあとの世代が喜んでくれるように、いろんな人の気持ちを考えながらつくることがいちばん大切なことなんや。

いつも心がけていることですが、改めて肝に銘じた次第です。

デザイン重視で自分の作品づくりをする設計士。
技術に酔いしれて、仕事を見せようとする大工。
儲けのことばかり考える施工者。
また、悪気のないところにも罪を犯す危険はあります。

今一度、みんなのしあわせを考え、罪をおかさないように・・・・・
あたり前だけど、忘れてはならないことです。