建築大工は50万人割れ

三和総合設計

2006年07月09日 09:47

7月5日の日本住宅新聞から。
平成17年度の国勢調査の速報集計によると、大工の人口は55万4500人で前回調査よりも約9万2300人も減少(14.3%減)しているようです。
しかもこの統計には「大工」の中に型枠大工も含まれているので、実際、建築大工は50万人を割っていると推測されるようです。

そもそも、国の国勢調査で、一般の大工と型枠大工が同じように扱われていること自体がばかげていますね。国のやることは何でもこのようなものです。都道府県はそんなばかげた国の制度を一所懸命、おかしいと思っても闇雲に住民に押し付けるだけです。
私たちは、工場でプレカットされた住宅を現場でプラモデルのように建てて、造作だけをする大工を「組立て大工」と呼んでいます。
本当の大工さんは、自分で墨付けができて、木の良し悪しを見ながら適正な部分に材料を使い分ける。増改築になれば、木組みの状況を考慮し適正な補強をしながら納めていく。これが本当の大工さんです。
この統計では、型枠大工さんも入ってしまっていますが、本当の大工さんと組立て大工を分けて数えると「真の大工」はいかほどの数になるのでしょうね。
私の周りには「真の大工さん」しかいません。ですから、世の中に組立て大工がどれほどいるのかわかりませんが、うわさによると最近では真の大工さんはほとんどいない、真の大工の技術を持っていても、組立て大工の仕事しかしていないというのが現状のようです。

いつの日にか大工さんの手刻みの重要性がわかるときが来ます。あの市電のように。
でも、今でも市電なんて古臭いと思っている人もたくさんいると思います。
重要性がもう一度認められたときに、大工技術は残っているのでしょうか。