自治体の破たん

三和総合設計

2006年07月14日 07:02

新聞の社説によると、「観光とメロン」で知られる北海道の夕張市が財政破たんを表明したようです。

借金の総額は約630億で市の年間自主財源の14倍以上だそうです。
こんな自体に陥った自治体職員や議会の責任が問われるところですが、人口が最盛期の12万から1万3千人になっている状況が最も大きな原因だと思います。
石炭産業が衰退する中で、観光やメロンなどで活気のある街づくりを目指したが、観光ブームが去ると、民間のスキー場やホテルが撤退を始め、市民の雇用確保などのために無理に施設購入などをすすめ、今回のような事態に陥ったようです。

不適切な財政処理などで赤字隠しをしてきたことなどは攻められるべきことですが、夕張市が財政破たんしない方法は他にあったのでしょうか。
石炭産業が国の政策の中で衰退していく、そうするとそれに関わっていた街は全くいらないというわけにはいきません。なにかの手を打って、守ろうとする。それが観光によるまちづくり。しかし、それは虚業であって本質的なものではないので、民間企業は儲からなくなるとあっさり撤退する。ちょうど、コンビニが儲からなくなるとすぐに撤退するのと同じですね。
ですから、地域が地域として存在するためには、地域で自活できる、循環する街づくりが必要なのです。観光産業の誘致や大規模な工場の誘致などは一時的には成功したように見えますが、どこの地域も同じようなことをする。お客さんは目新しいものが好きですから、新しいスーパーができればそちらへお客が流れる。そうすると昔からあるスーパーはつぶれてしまう。ダイエーみたいなものですね。でも、これはダイエーだけではなくて他のスーパーでもありえる話なのです。
ですから、民間企業は、はやっている間に儲けるだけ儲けて、だめになったら捨ててしまう。こんなことを繰り返しながら利益を蓄積していくのです。

自治体はそうはいきませんね。儲けることもできませんし、地域を捨てることもできないのです。
根本的な地域のあり方を考え、国全体で支援していく。過疎地が自分で生きていけるような国をつくることが必要なのです。今までのように、補助金をばらまき、箱物を造らせ自分で何とかしろというやり方ではうまくいきません。
なにせ、国の方針は勝ち組と負け組みがあってもいいというような方針だからです。

話は飛んでしまいますが、約630億の借金というのは大きな額ですが、戦闘機の費用は一機100億ぐらいしそうです。購入費だけですから、運用費などを含めるとかなりの額になります。
戦闘機3機ぐらい導入しなければなんとかなる額です。
用は税金の使い方ではないでしょうか。国を守る戦闘機も必要ですが、国を守る仕組みのほうが大切です。
北朝鮮のように、飢えた国がミサイルを発射し、多額な費用を無駄にして平気な国があります。
日本も夕張市のような地域を救えないで、浮かれた政策を進めるのなら、本質的にはなんら変わるところはないのです。