京大芦生研究林の滋賀県側からの入林禁止
京大芦生研究林の滋賀県側からのハイカーの入林禁止が決められました。
京大芦生研究林は京都府北東部の由良川源流域にあり、滋賀県、福井県に接する総面積約4200ヘクタールの森林で、天然林が約半分を占めます。
京都大学が地元共有林を1921年から99年間の契約で借り受けているものです。
滋賀県側からの入山禁止の理由は、林床の踏み固めや遭難事故の防止が狙いで、一般のハイカーの入林は研究林事務所のある京都側の南丹市美山町からに限られることになりました。
研究林には年間2万人以上が訪れるようですが、その半数以上は滋賀県側からの入林だそうです。
芦生研究林長は芦生は研究の場であって森林公園ではない。森を守るためにはやむを得ず、理解と協力をお願いしたいと話しているそうです。
山を守る。必要なことですね。しかし、人との関係を絶ってまで研究を行なうことに意味があるのでしょうか。大学や研究機関の研究は最終的には人間の役に立つものになるのでしょうけれど、一般の社会と少し遊離したところがあるのではないでしょうか。一般社会のように何事も金儲けというのも困りますが・・・。
今、山が荒れているのはハイカーが問題でしょうか。貴重な自然が壊されているのが問題でしょうか。もちろんハイカーの方々のモラルが必要なことは当たり前ですが、山の問題は、人の生活と山が離れてしまったことではないでしょうか。
昔は山から薪炭のエネルギーをいただき、さまざまな木々の特徴を生かした、適材適所の使い方をしていた木の文化がありました。そういった中で、人々は山を大切に扱ってきたのです。
今、研究のためさらに山を閉じてしまうことはむしろ山をダメにしてしまう方向ではないでしょうか。もちろん山を守るためのルールは必要ですが、そういった議論を里や町まで持ち込む必要があるのだと思います。
日本の貴重な自然を守り、他国の自然を破壊しながら木材を輸入する。そんな木材を使いながら、ハウスメーカーなどがお金儲けに走り回る。なんか変ではないですか。
もっと、山に関わりながら、落ち着いた日本の生活を取り戻したいものです。