表題は、朝のテレビ番組「知っとこ!」の中で紹介されていた内容です。
全国放送なのかな?
紹介されていた日本の匠の技は3つ。
一つ目は食品サンプル。二つ目はノーベル賞の晩餐会で使われるカトラリー(フォークやスプーンなど)。三つ目はコットンタオルでした。
一つ目の食品サンプルの話はあまり見れなかったのですが、後の二つは興味深く見せていただきました。
カトラリー(この言葉を私は知りませんでしたが)の製造は、新潟県の燕市にある山崎金属工業が地場産業の技をベースに新しいデザイン感覚も加え行なっているものだそうです。
もともと新潟県のこの地域は金属加工の技術が進んでいるところですね。
次のコットンタオルは愛媛県の池内タオルという会社が無農薬のコットンを利用し、漂白剤を使わず、でんぷんのりを使い、天然の湧き水を利用し、子どもが口に入れても問題の無い染料を使って作っているものだそうです。
やわらかくて肌触りがすばらしいそうですが、コットンにカラフルな色をつける織り方などを加え、世界的な評価を受けるものに仕上げたものだそうです。
この2点を見て思ったことがあります。
当たり前のことですが、世界的に評価されるものについては、しっかりした技術のベースが必要であると言うこと。
もう一つは、そのベースに新しい技術を加えること。
もう一点。徹底的にこだわって作ること。
こんなところでしょうか。
これを見ていて、日本の木造建築の技術の中途半端なところを少し残念に思っています。
日本の木造建築の伝統技術をうたっている職人はたくさんいますが、本当にとことん極めているでしょうか。
新しい住宅に対し、自分たちの技能を対比しているだけで、本当にすばらしいものだと認めていただけるだけの努力が出来ているか、このあたりがすごく欠けているように思います。
もう一点は、新たな技術やデザインを活かそうとしているかということもあります。
本当にすばらしいものは、多くの人々に認められなければなりません。
ノーベル賞の晩餐会に使われるカトラリーなどは値段が高く手が出ないと思いますが、その美しさはほとんどの人たちが認めるところのものだと思いました。
それに引き換え、日本の伝統木造住宅は、一部のファン層に認められているものの、多くの住まい手からは別の世界のように捉えられているのが事実ではないでしょうか。
伝統技術にもうひと工夫を加えることや新たなデザインを加え、生活に必要な性能をしっかりと確保することで、世界に誇れる技能にまで高めることが出来るのではないでしょうか。
全体を通じてもう一点感じたことがあります。
先ほども書いたように良いものは徹底的にこだわって作ることが重要です。日本にはその技術のベースはあると思いますが、日常生活ではそういった技術はまったく活かせない商品ばかりが流通しています。
庶民が手に入れられないほど高いものは当たり前に買えないのですが、一般的に流通する商品が日本の技術力を活かしたものであって欲しいと思います。
今や日本の技術力は、世界の金持ちを相手に外貨を稼ぐためだけのものになってしまったのでしょうか。
日本の将来を考えると、もう一度真剣に考え直さなければならないのではないでしょうか。