滋賀県では、新年度から米を飼料化し自給率の上昇を図るようです。
皆さんもご存知の通り、農作物を用いるバイオ燃料の需要増大の影響で、飼料に使われるトウモロコシなどの価格が高騰しています。
そこで、イネの実とわらを一緒に発酵させる飼料である稲WCSや飼料米の生産経費の助成を始めるようです。
飼料だけではなく、食料も、エネルギーも自国にある資源を活用するのが当たり前だと思うのですが、お金儲けが最優先の社会では少しでも安いものを世界中駈けずり廻って探すということに現在はなっています。
こうなると、他国の状況や為替の影響で国民生活は実質的な変化がないにもかかわらず、多大な影響を受けることになってしまいます。
世界中を駆け回ることにより、企業が利益を得て、二次的に国民が利益を得るわけですが、現在のように格差が多い社会になれば国民の多くがさまざまな苦労を背負い込むことになってしまいます。
いずれにしても、地球温暖化など将来を考えると本当の意味でのグローバル化が必要となります。
日本で言われるグローバル化とは、世界と競争して金儲けをすることしか考えられていないように思えてしまいますが、本当にグローバルに世界を見ると、貧困に困っている人たちのことを考えなければなりません。
日本がものを安く買う。労働力を安く買うということは、後進国の人たちの犠牲によって成り立っているのです。
一時的に見れば、後進国の人たちに仕事を与えているのだという考え方もありますが、それは詭弁と言うものでしょう。
自分の国で可能なことは基本的に自分たちでする。
他国の優秀なものはお金を出して買い、自国の優秀な製品は他国に販売する。
この基本は良いのですが、日本だけではないのかもしれませんが、他国の優秀な製品は安い労働力というのが現状ではないかと思います。
安い労働力を買うということは、ひどい言い方をすれば、奴隷として使っているというのと同じことではないでしょうか。
ちゃんとした費用を払ってもなお購入すべきものは輸入すべきですが、安い労働力により支えられた製品を買うということは根本的に間違っています。
そのうえで、日本の地場経済は疲弊し、食料やエネルギーの自給率は低下し、一部の企業に利益はたまるものの、アメリカがくしゃみをしたり、お金持ちたちが石油などに投資することにより、燃料の価格が高騰したり、不安定な社会となっています。
そろそろ、安定した日本づくりを考えるべきでしょう。
米を飼料に使うことは良いことだと思いますが、また海外の農作物の価格が下がれば無視されていまうのではないでしょうか。
いつも言っている話ですが、日本の貴重な資源である木材の活用、これも同時に考えなければなりません。
木質バイオマス発電なども行なうべきです。効率は悪いと言いますが、地球温暖化の問題、資源の安定化の問題、国土の保全の問題、地域格差の是正などを考えると良いことが一杯です。
目先の金儲けを考えるのはそろそろ辞めましょう。