鈴木祥之先生退職記念祝賀会

三和総合設計

2008年05月11日 08:10

昨日、鈴木祥之先生の退職記念祝賀会が、京都大学百周年時計台記念館で開催されました。


このブログをご覧いただいている方のかなりの方は鈴木祥之先生についてご存知の方も多いと思います。
先生は、伝統木造建築物を造るものたちにとって最も頼りになる研究者です。

私たちは、近年、伝統木造建築物の関係でいろいろとご教授いただいているのですが、祝賀会では、先生の大学における長きの研究と経歴が紹介されました。

現京都大学の防災研究所所長から、先生の京都大学での36年間の研究について紹介していただきましたが、初期の研究の内容については非常に難しい内容で、名前も覚えられないほど(すみません)のものでした。(確か、確率、微分などの関係だったと思いますが)

その先生が、現在の中心的課題である「伝統木造建築物」に取り組まれたのは、やはり阪神大震災が契機のようでした。
先生のご挨拶の中で、研究のための研究から、実業に役に立つ研究でなければいけないと思ったという言葉が印象的でした。



祝賀会には200名ぐらいが参加させていただいたと思いますが、先生の長年の研究の関係者のほかに、最近での木造建築物に関してのお付き合いで、工務店関係者や職人さん、設計者なども参加をさせていただきました。

祝賀会の前に開催された記念講演会の中で、先生は今後の目標をいくつかあげておられました。
その中に、「伝統木造住宅を新しく造り続けること」「伝統技術を現代木造建築物に生かす」ことをあげておられました。

今回、出席させていただき、先生は、長きの地震に関する研究をベースに伝統木造建築物の解析をされていること、日本の伝統木造を守るという大きな課題を基に研究をされていることが良く分かりました。

私たち、実務者は困ったら鈴木先生の言葉に頼ろうとするところがありますが、長きの研究のベースというものをよく理解したうえでの判断であることをよく考えなければならないと思いました。

伝統木造建築物にも良いところもあれば欠点もある。
それを承知で、文化として大切にし、なおかつ、職人や技術者の腕に確かな理論も加えていかなければならないのだと思います。

鈴木先生は、伝統木造建築物を作り続けるための研究者であり、私たち実務者をただ守るためだけの仕事ではないのです。


先生は、今後、滋賀県にある立命館大学で研究を続けていかれます。
今後も私たちの力になっていただけると思います。