お茶の味

三和総合設計

2008年05月25日 08:01

今日も、目がテンの番組から。

お茶の味は、急須で入れた本格的なお茶とペットボトルのお茶と味は違うのかと言うものでした。

前半の部分を見逃したのですが、内容は新芽の部分と古くなった葉ばかりで作ったものと味が違うのかと言うものでした。
当たり前のように新芽のお茶がおいしかったようです。

二つ目の比較は、お茶を機械で揉んで作るのと、手もみでつくるのと味が違うのかと言うものでした。
いろいろな人に味の比較をしてもらったところ、すべての人が手もみ茶の方がおいしいと言うことでした。
手もみ茶はお湯の中に入れると、葉っぱが広く広がり、うまみ成分であるテアニン?がうまく溶け出すようです。それに引き換え、機械で揉んだ茶の方はお湯に入れても葉が広がることはありませんでした。

三つ目の比較は、お茶の入れ方。
日本茶インストラクター?の方、紅茶入れの達人、ほとんどお茶を入れたことのない女性の3人が入れたお茶を同じくいろいろな人が飲み比べる。
結果は、全員が日本茶インストラクターのものをおいしいとしました。

お茶は低い温度で入れるとうまみ成分だけがうまく抽出できるそうです。
また、入れてから長く放置すると、酸化しておいしくなくなるそうです。


この番組をみて、住まいづくりと同じような部分があるなと思いました。
汗をたくさんかいてのどが渇いてしょうがないとき。そのときはペットボトルのお茶でも充分おいしいでしょう。
自分の住まいが無く、持ち家があるだけましだという発想なら、安くてよい住まいというチャッチフレーズの住まいでも納得できる思います。

でも、本当においしいもの。一生住む住まいだから、良い住まいを追求したいということなら訳が違います。

新芽か古い葉か。住まいで言えば、どんな材料を使うか。
外国産の集成材か、国産の木材か。それには大きな違いがあります。

また、つくり方。
機械で作るか、手もみでつくるか。
工場プレカットでつくるか。手刻みで造るか。
そこには確実に違いが出てくるのですが、時間が費用になって出てきます。
お茶の場合は飲み比べが出来るのですが、長く使ってこそ違いが分かる住まいでは、住み比べというのは出来ないので、この違いは非常に分かりにくいものになっています。

お茶の入れ方で味が違う。
住まいのつくり方は職人の腕や経験で良し悪しが違うということですね。
集成材のように工業製品化されたものなら、誰が作ってもそんなに違いは出ません。
でも、自然素材である無垢の木材を使うのなら、木材の性質を良く知った大工さんが作るのとそうでないのと出来上がりが違ったものになります。

お茶の性質を良く知り、うまみだけが抽出できる温度で入れる。
木の性質を良く知り、長所を活かし、欠点を出来るだけ抑える。
こんな職人の技が、良い住まいづくりの秘訣となるのです。

最近では、木の住まいが人気です。
各地の工務店が木の住まいづくりを掲げていますが、ほとんどの会社は自社に大工さんを抱えず、下請けの大工さんを使っています。
本当に木の住まいをつくるなら、自社に大工さんを抱えるべきですね。

番組の中で、大事なことがもう一つありました。
先にも書きましたが、酸化しないうちに飲むということです。
これはお茶を入れた人には出来ないことです。(はやく飲んでねとすすめることは可能ですが)
住まいも同じことが言えます。
造り手が一生懸命つくる。
でも、住む人がその住まいの特質に合わせてうまく住んでいただくことも大事なことです。
木の住まいには木の住まいの良さがあります。反面、欠点もあります。
長所を良しとし、欠点は長所を活かすためのものであると理解できる方でないと、トラブルになってしまいます。

さて、手もみ茶とペットボトルの茶、言われなくても味の違いは分かるという方もおられるでしょうし、分かってしても値段が違うのでなかなか買えない。本当においしいおいしいお茶が飲みたいときだけ飲んでいると言う方もおられるでしょう。

でも住まいはそうはいきませんね。
普通の場合、一度建てたら、一生その住まいに住み続けることになります。
その違いを充分理解して選択していただきたいと思います。

住まいづくりの中で皆さんにあまり理解されていないことがあります。
それは費用のことです。
確かに手づくりで造る木の住まいは安いことはありません。
安さを売り物にするフランチャイズの住宅メーカーに比べれば確かに値段は高いのですが、実は大手ハウスメーカーの値段とはほとんど変わらないのです。

大手ハウスメーカーは宣伝上手です。
安い規格の住宅で宣伝営業をしながら、お客さんを誘導していく。
一般の方々は、ハウスメーカーの建物は、丁寧に造った木の住まいよりも安いと勘違いされています。

安くてよい住まいと言うのはありません。
同じちゃんとした費用をかけて住まいを造るのなら、宣伝や営業費に多額なお金がかかるハウスメーカーの建物より、手もみで作るような丁寧な木の住まいづくりを選択してみませんか。