おはようございます。
昨日は木考塾の定例会でした。
朽木東小学校・朽木中学校の屋内運動場(体育館)の現場見学です。
台風でどうなるかなと思ってましたが、なんとか雨風も強くなることなく、無事開催できました。
地元の人たちによって育てられた「学校林」の杉の木を使い、体育館の大きなアーチ屋根が地元の大工さんの手によってつくられています。
山口の錦帯橋を参考に、「持ち送り重ね梁」という構法で、
杉をずらしながら重ねて一体の梁にして大屋根のアーチをつくっています。
地元の杉を利用していくにあたっては、いろいろ大変なことがあったと思います。
構造設計を担当された山辺さんがおっしゃてました。
今、これが実現した一番のポイントは、木を乾燥する時間をとれたことだと。
人工乾燥せず、天然自然乾燥で使うという要望。
一方乾燥度合いは数値的に必要な値まできっちりクリアできてないと構造的に保証できないこと。
乾燥しにくい杉は、限られた時間の中でこの両方をクリアするのはなかなか難しい。
結局、十分乾燥させるために工期を延ばされたそうです。
公共工事の場合、工期を延ばすというのはなかなかできないこと。
そのため、木の乾かす時間がネックとなって、なかなか公共工事に利用するのが難しいのです。
工業化製品のように必要になったときにすぐ調達なんてことがしにくい。
今までも公共工事に少しでも地元の木を利用したいと思っても、
ストックがない状態では断念せざるを得なかったことが何度もあります。
今回見学させていただいた体育館は、これから国が進めていこうとしている公共建築物の木材利用の先導的な事例になると思いますが、今までのような単年度で行われる公共工事の発注の仕方では思うように進まないと思います。
木を使うことは時間も必要です。
木の成育する時間や木の力が十分にだせるようになるまでの時間に人が合わせていかなければなりません。
それが長く使え、愛着のある建物につながるだと思います。
今の社会の時間の流れから変えていかないと難しいことかもしれませんね。
でも社会の時間の流れを変えるなんて、難しそうと思えるかもしれませんが、もしかしたらそんなに難しいことではないかも。
みんなが、自分本位の視点からちょっと変えるだけでずいぶん変わりそうな気もします。
参加された方たちのほとんどが構造的なすばらしさに見入っている間、そんな事を考えながら見学していた私です。
ちょっと変かな(笑)
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