2009年03月23日

群馬の老人施設の火災

群馬県渋川市にある老人施設で火災がおき、10人の方が死亡されました。群馬の老人施設の火災

新聞報道によると、施設は禁煙なのに職員がタバコを買い与えていたようです。

皆さんもご存知だと思いますが、この施設は届出もなされていなく、建築基準法や消防法の基準も満たしていなかったようです。

どうしてこんな事故が起きたのか。
ここは深く考えてみる必要があります。

この施設の入所者は東京都に籍を持つ人が多かったようです。
結局、都会ではお年寄りを面倒見ることはできない。
そこで地方にそれを依存する。

地方も仕事が少ないので、それを受け入れる。
そんな構図になっているのではないでしょうか。

施設が建築基準法や消防法を守っていない。
こんな話は火災後当たり前のように聞こえてきますが、今までの雑居ビルの火災と考え方を変えなければなりません。

もちろん、必要な設備などが整備されていないことは問題です。
しかし、それは雑居ビルのように利益を追求した結果でしょうか。

老人施設は多数の方が利用し、なおかつ体の悪い方が多いので、法律で設備などが強化されます。
そうなると、建物の建設費は跳ね上がり、とても施設を経営できる状況にならないのではないでしょうか。

都会は企業が利益を追求するために人を集める。
利益追求に役に立たなくなった高齢者のなかで、充分なたくわえがない人は、自分の生まれ故郷でもない地方の施設に追いやられる。
こんなことがおきているようです。

この火災の原因は、タバコの不始末かもしれませんが、多くの方々が犠牲になった大きな原因は、日本の社会構造にあるといわなければなりません。

昔は、お年よりは自分の子どもや孫達と健やかに暮らしていました。
でも、最近では子どもは自立すると親と一緒に住まいないのが当たり前。
いや、住めない社会構造になっているのです。

すべて利益が優先の社会。
そこでしか生きにくい社会ですから、安定を求めれば求めるほど、その社会の仕組みに取り込まれてしまいます。
特に都会へ出たいわけではないけれど、良い職を求めるとそうなってしまう。

今回の火事による犠牲者はそんな社会の仕組みの犠牲者だといえると思います。

いつも言っていることを繰り返します。
地方が自活できる社会をつくること。それが一番大事なことです。

無届の施設が一番の問題であるわけではありません。
無届施設を摘発すれば、その施設は廃止されるだけです。

そろそろ根本的な問題にケリをつけなければ、まだまだいろいろな問題が続いておきてくるでしょう。


人気ブログランキング参加中。
 ↑ の部分をポチッと押していただくだけでOKです。
    クリックお願いします。


同じカテゴリー(変だぞ!今の住まいづくり(正))の記事画像
琵琶湖大橋の有料継続
原発再稼動と経済活動
そろそろ目を覚まさなければ
マイナンバー制度
震災から丸四年
悪貨は良貨を駆逐する
同じカテゴリー(変だぞ!今の住まいづくり(正))の記事
 琵琶湖大橋の有料継続 (2015-06-06 07:38)
 原発再稼動と経済活動 (2015-04-15 08:00)
 そろそろ目を覚まさなければ (2015-03-18 07:51)
 マイナンバー制度 (2015-03-14 08:21)
 震災から丸四年 (2015-03-11 07:58)
 悪貨は良貨を駆逐する (2015-03-02 19:22)

上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。