2009年06月08日

住まいの寿命

昨日、滋賀県立博物館で「住まいの小学校」を開催しました。住まいの寿命

その内容については、コチラを見てください。

今回の住まいの小学校の大きなテーマは「資源が循環する」ということ。
もう少し突っ込んだ話になると、「持続可能な社会づくり」ということになります。

「持続可能な社会づくり」の中で、住まいを考えると、耐久性の高い住まいをつくることになると思うのですが、なかなかそういう考え方も一般的でないこともあるようです。

「住まいの小学校」は滋賀県を中心に木造住宅を勉強している木考塾というプロの集まりと、滋賀県立博物館の学芸員の方と、一般の方が一緒になって進めていこうというものです。

その中でいろいろなお話をさせていただきましたが、住宅の寿命は今の社会を考えると、100年というレベルを考えても意味が無いというような発言もありました。

自分達の子どもも同じところで住むことはほとんど無い。
あまり耐久性の高いものを作っても、むしろ無駄になるという考え方です。

もちろんそういう考え方もあると思いますが、その発言をされた方も環境にはいろいろな思いをもっておられる方であるということで少し不思議な感じがしました。
「持続可能な社会づくり」を考えると、今の社会の形態自体を問題にしないと実現はありえないと思います。

どちらかと言うと景気対策に重きがおかれているから仕方が無いのかもしれませんが、50インチぐらいの大きなテレビを買うと大きなエコポイントがもらえる。
そんな現状社会の肯定の中で、地球温暖化ストップや持続可能な社会づくりができるのでしょうか。

確かに今の社会を考えると、長持ちする住まいを作っても中古住宅になったときに取り壊されてしまうだけであるということになりますが、長く使える住まいを作り、中古住宅の流通も考え、さらに地域が地域で生きていける地方分権などが実現できればそんなに難しいことではないと思うのです。

その発言をされた方は20年ぐらい使う予定をしているなら20年ぐらい持つ建物を作ればいいんだとおっしゃっていました。
昔、そんなことを言っておられた建築士もあったように思います。

でも、どの時代に、「長持ちしないように物をつくる」という発想があったのでしょう。
今の社会が少し異常なのではないでしょうか。
本当に使い捨てのものなら仕方がありませんが、住まいを長持ちするように作らないほうが良いというような発想がでる今の社会がおかしいのだと思います。

みなさん喜んで故郷を捨てているのですか。

都会の持つ問題点と田舎が持つ問題点。両方を解決することはそんなに難しいことではありません。
価値観を変えることです。
町に住みながら、エネルギーを多く使いながら、できるだけエコに努めよう。でも田舎にも遊びに行きたいなというような考え方ではいけないのです。

日本がいや世界が持続可能な社会となるためには、今の社会のあり方で物を考えるのではダメなのです。

木考塾の集まりでは、寿命の長い住まいを作ることは当たり前に大事なことだと思っていましたが、一般の方々の考え方がそこまで来ているのかということがわかったことが昨日の大きな成果でした。

さあ、これからどうしたら良いのでしょう。
国民はあきらめているというところからのスタートでしょうか。。。


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