テレビや新聞の報道で「雇用・能力開発機構」の解体があげられています。
雇用・能力開発機構とは昔の雇用促進事業団、グリーンピアなどの無駄な施設を造ったことで問題になっていました。
現在では「私のしごと館」や「職業能力開発総合大学校」などが問題にあげられています。
実は私は雇用能力開発大学校付属の滋賀のポリテクカレッジで非常勤講師をしています。
雇用・能力開発機構が無駄であるという話が少し前から上がっていますが、そんなことはないと思います。
もちろん、大きな組織ですから無駄なところはたくさんあるかもしれませんが、ポリテクカレッジという短大はむしろこれからの世の中にとって大事なところではないかと思っています。
大学と言えば学生にとっては優良企業に入るための就職活動の場というような感じになっています。
企業は自分たちの言うがままに働いてくれるまじめで優秀な学生を求め、学生は将来の安泰を求め少しでも優良な企業に入ろうと大学を選ぶ。
こんな感じが今の現状だと思います。
しかし、これからは循環型社会を作ること。地産地消の社会をつくることを本気で求めていかなければなりません。
そうすると、職人などの能力が重要となってきます。
職人であっても昔のやり方をそのまま踏襲するのではなく、学問の知識もあわせながらこれからの社会に対応していく必要があります。
そのためにも重要な大学がポリテクカレッジなどではないかと思っています。
お金儲けのために多くつくられている私学よりも、地産地消を見据えた、循環型社会をつくるための技能を高めるための大学のほうがこれからは必要となると思います。
ただ、困ったことは、国の中枢の人たちや雇用・能力開発機構の中にいる人たちがそのあたりに気づいていないのではないかと思います。
雇用・能力開発機構の存続のために文部省系の大学に追いつこうというような考え方があると思いますが、もともと進むべき道はまったく違うと思います。
日本の将来のために、普通の大学より重要な責を担っていることを自覚していただければ、解体するというような話は出ないのだと思います。
地域の企業と学問のつなぎの位置にある重要なポリテクカレッジ。
別に国の機関でなくても良いのですが、民営にしてしまえば専門学校と変わりはなくなってしまい、ますます存在価値はありません。
循環型社会に向けて、その存在価値を見出せるような方向性が出せればよいのですが。。。。