行政の仕事

三和総合設計

2008年07月19日 11:40

行政の仕事って何だろう。

同じ行政の仕事でも、国のやる仕事と地方公共団体の行政のやる仕事と少し違うところがありますね。
でも、本質的なところは同じだと思うのです。
国民、県民、市民が幸せに暮せることが大きな目標でしょう。

でも、行政の仕事ははっきり言ってそうなっていない部分が多いと思います。
とりあえずもめ事が起きないようにするのが仕事になっているように思います。

もめ事が起きないというのは、幸せに暮すひとつの条件だと思いますが、それだけでは幸せは訪れませんね。
耐震偽装の問題が起こればそれに対応して法律を変える。
地球温暖化が問題になれば、問題にならない程度に基準をつくる。

ほとんどの行動が後追いであり、何が目標なのかを見据えた動きはほとんどありません。

山の事でも同じ。
木材が売れなくなって困る。木材が売れないと山を手入れしない。
手入れしないと災害も起こる。
何とかしなくては。。。

そんな議論がいつも続けられますが、じゃあどうするのといった具体案はありません。
外材の輸入を規制する。国産材や地域材を使う建物は金利を優遇するなどさまざまな方策はあると思いますが、声の大きい企業などに遠慮して具体的で有効な対策はほとんど実行されません。

地域の木を使おうという活動をしている私たちに多大な期待がかけられる。
岩波さん、地域の木を使った住まいをもっとPRすべきじゃないですかなどとおっしゃる。

PRしたいですが、今、多くの人々にPRをしようとするとテレビや新聞などに頼らざるを得ない。そうするとすごく大きな費用がかかり、実際住まいを建てようとする人に無駄な費用がのっかかってしまう。
私たちはそんなことはできません。
それをやったら、ハウスメーカーと同じようになってしまいます。
地域の木をできるだけ安く仕入れようとする(今でも林業は経営が成り立っていないのに)。職人さんの手間賃を生活ができないぐらい絞って発注し、良い仕事ができないようにしてしまう。

だから、私たちが一般の住まい手の方々に情報を伝えるのは大変難しいのです。
でも、そんな事をしている間に、ハウスメーカーはどんどん訳のわからない宣伝を行い、住まい手の方々の環境意識をくすぐり、数多くの建物を建てようとしています。

耐用年数の短いプレハブ住宅を建て、お日様○イムなどとけったいな宣伝をしたり、かたや同じハウスメーカーの中でも自分たちの建物は長持ちするんだと表現したり、いくら環境に優しい住まいであっても、数をたくさん追いかけようとしているハウスメーカーの存在そのものが環境に優しくないわけです。

そんな事を行政の方にお話し、私たちの代わりにはっきりと国民、県民に伝えるのが仕事じゃないですかとかなり激しく先日言いました。

滋賀県は環境県だと宣言し、国より先にCO2の半減化を宣言し、具体的な案を示しています。
住まいは地域材を使う住まい。暖房の熱源は薪ストーブを中心とする。。。など、いろいろな提言がなされていますが、実際の行動となるとなかなか前へ踏み出してくれません。

良いことをやろうとしても、それ以上に問題が多く起こればどうしようもありません。
そろそろ行政は本気で自分たちのやるべき仕事をやらなければならないのではないでしょうか。

もちろん、今のように、教員採用に不正ありなんて事をまずやめるところからスタートなんですが、そんなのんびりした事を言っていられません。

最近の宣伝の中で私は、お日様○イムが最も嫌いです。
あの騒がしさは何だ。もっとちゃんと考えて住まいを建てようぜ。
太陽光パネルを乗せれば、乗せないよりも少しは環境に優しいのかもしれませんが、プレハブ住宅を建てることそのものが環境に優しくないんですよ。
太陽光パネルも乗っていない。それでも地域の木を使って、地域の職人が耐久性の高い建物を丁寧に造るのが最も環境に優しいのです。

こんな簡単なことなのですが、本気で地球温暖化問題を解決しようとするならば、行政が先頭に立って言っていただいても良いのではないかと思っています。

200年住宅を早々と取り組んでいるのはハウスメーカーばかり。
自分たちの首を絞めるようなことを本気でやるはずがありません。
売るためのキャッチです。
バリアフリーにしてもシックハウス対策にしても、本気で対策はしていませんね。
大量販売できる材料を使っての対策ばかりです。

何度も言いますが、大量に造ることそのものが環境に優しくないのです。

ちゃんとした行政マンの方、一言、言ったってちょうだい。


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