今朝の新聞記事に、野生の動物から農作物を守るバッファゾーンについて掲載されていました。
バッファゾーンは日本語で記載すると緩衝地帯です。
山と民家地区の間の樹木を伐採し、見通しを確保して警戒心の強い野生動物を里に近づけないようにするものです。
この取り組みは京都府の南丹市美山町の知井地区で行われたものですが、一定の効果はあるものの一時的であると言っておられる農家の方もおられるようです。
バッファゾーンを作るだけでなく、山に広葉樹を植えるなど長期的な取り組みをあわせて行わないと効果が出にくいのでしょうか。
バッファゾーンと言えば、大学時代の先生を思い出します。
私は建築学科の中の都市計画、その中でも交通問題を卒論に選んだのですが、先生の言葉の中にヨーロッパの都市の高速道路のバッファゾーンがあったことを今でも覚えています。
高速道路のバッファゾーン。
騒音などを防ぐために、一定の距離を緑化地帯とし、居住区から離して道路を作るものです。
日本の狭い国土でそんなことができるだろうかと思ったりしたこともありますが、今ではそれができないのは国土の広さの問題ではなく、国の政策や都市計画のあり方の違いだと思います。
日本は私権を認めすぎですね。
公共の用に供する部に関しては、制限を加え、大きな目標に向けてきちんとした政策を打ち出すべきですが、そこに利権の問題が起こったり、個人的なわがままがおこったり、国民の公共意識の欠如があったりして、場当たり的な政策しか進められないのが現状ですね。
バッファゾーンと言う考え方のすばらしさ。
そのやり方は緩やかなものです。
野生動物から農作物被害を防ぐために、ネットを張ったり、電流を流したり、銃で駆除したりする考え方ではなく、確実性は薄いが大きな視点で見ると良いことが多いという考え方ですね。
高速道路なら、防音フェンスを作るのが直接的なやり方です。
防音効果は優れているかもしれませんが、景観などは台無しですね。
バッファゾーンにする土地の問題もありますが、意外と日本でも利用されていない土地は多いものです。
新幹線に乗ってしばらくすると、田んぼや畑や山などいっぱいあります。
要は国土の利用の仕方の問題なのです。
日本では土地の値段が高かったり、私有の問題がありますが、そのことこそ日本のいろいろな問題を引き起こしている元凶なのです。
日本のあるべき姿をちゃんと見据えて物を考えれば、バッファゾーンと言うような緩やかな考え方も十分成り立つものです。
河川の堤防についても同じことが言えますね。
絶対壊れることの無い頑強な堤防を作る方法ではなく、一定の流量になればあふれてバッファゾーンに流れ込みながら水かさが減るのを待つ。
もちろん広い土地が必要になりますが、そういう考え方ができれば、洪水対策のダムの建設ももっと減らすことができます。
バッファゾーンと言う考え方、いろいろなところで使ってみませんか。
人間関係でも利用できるかも知れませんね。。。。
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