阪神大震災から、今日で15年経ちました。
政界にも大激震が走っているようですが、その話はまた後日。
昨日の夜も、阪神大震災関連のテレビドラマがありましたが、激震地の方々は大変だったと思います。
私達が住んでいる大津でも震度は5でした。
その当時は震度5強、弱の区別はなかったのですが、最近の地震の状況を考えると、震度5弱だったのだろうと推測します。
私は今住んでいる家ではなく、昭和40年代の始め頃に作られた実家に住んでいました。
家の構造はもちろん土塗り壁を主たる構造体とするものですが、揺れはそれなりにきつかったと思いますが被害は殆どありませんでした。
震度5と6の間には数字の1ではない大きな違いがあります。
震度5ぐらいでは殆どの家は被害が出ることはない。
もし出るとしたら、地盤がよほど悪いか、欠陥住宅でしょう。
震度が6弱、6強、7になると被害が激増します。
それなりにしっかり造っている家でも、部分的に欠陥があればそこから壊れ始め、全体の崩壊につながることがあります。
いつも地震の話になるとどんな建物は強いとか弱いとか話に出ますが、いい加減な話が多いので非常に困ります。
まず、どんな構造の建物でも、その構造の基本をちゃんと守った建物は大丈夫と考えて良いと思いますが、その構造の基本を守るというのが非常に難しいですね。
最近では、建物に関するプロが減ってきました。
建築基準法などに決められたことさえ守ればそれで良いという風潮があります。
さらに住まいを建てる方と話をする人が営業マンであるということが普通になりました。
営業マンは普通、技術屋ではないですし、住宅を売りたいためにプロの目から見れば無茶なことでも平気で受け入れてしまいます。
こんなことをやっていると、将来の地震被害が心配になりますね。
地震により被害を受ける建物は、どこかに問題がある建物。
シロアリ被害を受けていたり、構造体が腐朽していたり。
そんな建物が大きな地震を受けると、被害につながっていくのです。
これまでのブログでも何回も書いてきましたが、木造住宅が地震に弱いというのは全くの間違いです。
地震の被害が起こると、いつも木造住宅の崩壊した写真が放映されます。
なぜかというと、まず日本の普通の地域では圧倒的に木造住宅が多いこと。
木造住宅はプレハブやツーバイフォー住宅に比べ長持ちするため、欠陥が放置されている建物もあること。
そんなことが大きな理由です。
昨日のテレビドラマを見られた方もわかると思いますが、大きな地震ではコンクリートの建物や鉄骨の建物、ハウスメーカーの建物なども被害を受けます。
地震が起こったりすると、いつも住宅産業の中から木造住宅をダメなものと言い、自分達が提供している建物が優れているというような宣伝がされてしまいます。
こんな間違った宣伝で、日本の木の文化を失っていくことは悲しいことです。
新聞記事などで、阪神地方の被害が大きかったところの写真や記事が掲載されますが、建物はきれいに再建されていますが全くの賑わいがない。
建物は人の生活と共にあるものです。
とりあえず地震に建てればそれで良いということではないのです。
いつも新聞記事に耐震改修があまり進んでいないということが書かれています。
これについては非常に大きな問題を含んでいます。
将来被害が進むことを考えれば、耐震改修が進んでいないということは問題です。
でも、まだ地震についての考え方はちゃんと整理されていません。
そういう中であわてて耐震改修するのが良いのかどうかは非常に疑問があります。
大きな地震は頻繁に起こると考えがちですが、これは各地の地震などの報道が正確に伝わるようになったからであって、普通は自分の建てた建物が建物に被害を及ぼすような巨大地震に遭遇する確率は非常に少ないのです。
そういった中で、恐怖心をあおって営業活動をする耐震改修を勧める業者の口車に乗るのは非常に問題です。
先にも書いたように、その建物はその建物にあった改修を行わなければなりません。
特に昔からある伝統的な建物は、伝統的な建物に対応した改修を行わなければ意味がありません。
構造用合板をどんどん貼って、国が決めた耐震改修の基準をクリアーしたとしても、大きな地震が来れば、補強した合板がまず壊れ、補強した意味が全くなくなってしまうのです。
耐震改修は一定の数字を目標に進められます。
でも、本当にその値にしなければならないのか。
その値をクリアーしようとすると、住んでいる人の生活の仕方が変わってしまう。その割には、先ほども書いたように本当に大きな地震が来たとき意味がない場合もある。
もう少し、大きな地震に対し、どのような考え方で対応するのかということを国レベルで考えなければなりません。
今、決められている耐震改修の基準は特に古い建物には対応していません。
でも、国や地方公共団体が改修を勧めるのは、地震が起きたときに公費の支出を少しでも抑えたいからです。
もちろん公費の支出を抑えることは重要なことですが、曖昧な考え方で効果の薄い耐震改修を進めることは国全体で考えると非常に無駄遣いといえるのではないでしょうか。
住まいのリフォームを考える方は是非耐震改修も考えてください。
でも、いい加減な耐震改修業者に引っかからないように気をつけてくださいね。
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