普通の家を建てよう

三和総合設計

2010年05月01日 08:48

今朝の新聞記事に、「湖国仕様のエコ住宅」という記事が掲載されていました。

私はこの記事を見てすごく違和感を感じました。
エコをどういう手段で実現しているかというと、断熱効果の高い材を使ったり、植え込みによって冷暖房時の効率を高めたり、琵琶湖からの風で換気できる通風を考えたりし、壁面にはヨシを使った壁面緑化パネルを貼り付けているようです。

さらに、太陽光発電、雨水タンクをつけたり、外装に県内産の杉を使ったり、内装には貝殻粉末仕上げにしているそうです。

今、エコと考えられることはすべてしてみようというところでしょうか。

でも、その写真を見るとどう考えても日本の風景にあうとは思えないデザインで、庇も短く、とてもエコに配慮した建物とは私は思えません。

この記事には書いていませんが、構造体に日本の杉や桧の材料は使っていないのでしょうか。

今、エコ住宅は少し勘違いされていると思います。
日本の山の木を使って住まいを建てるだけで充分エコになります。
さらに、昔のような庇が長いスタイルの建物は、冬の日差しを取り入れ、夏の日差しはカットすることができるのです。

昔から作っている建物に少し断熱性を持たせるだけで、すごくエコな建物が完成します。
ヨシの使い方も、窓の外にすだれとして使うのが最も良い使い方ではないでしょうか。
ヨシを壁面に使うと、材が腐朽したときに壁パネルの交換などが非常に大変だと私は思います。

エコ住宅ということでPRする必要があるから、何でもかんでも取り入れているのかもしれませんが、昔の日本の住宅に学び、それに新しい技術を少し導入するだけで充分エコな建物が出来るのですが、少し勘違いしているのではないかと思います。

このエコハウスは全国20地域に補助金を交付する環境省の事業で作られたようですが、割と無駄なお金の使い方ではないかと私は思います。
日本の風景に合わない建物は、建てた時は良いのですがすぐに飽きがきます。
飽きが来ると使える建物でも壊してしまいます。
そうするとせっかくのエコハウスもエコではなくなってしまうのです。

これからは環境の時代であることは間違いありません。
しかし、住まいの本質的なあり方などが外れた形で実現されても、あまり意味がないと思います。

補助金を受けた建物だから出来た仕様としか私には思えません。

もう少し、愛着を持て、環境にも優しく、風景にも溶け込むような建物が本当のエコハウスだと思うのですがいかがでしょうか。
住宅はいろいろなメーカーなどが建てています。
どんなエコハウスを提案するのも自由だと思いますが、国の補助金を受けて建てるのなら訳は違います。

あえて一言書かせていただきました。


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