冬のいちごを作るためのエネルギー

三和総合設計

2011年07月12日 20:11

おおつ環境フォーラムの会報誌から。。。

その34ページに「食べ物の旬とエネルギーの関係」という福島県の小学六年生が書いた文書が掲載されていました。

内容はというと、旬の時期に作るいちごに比べて冬に作るいちごに使うエネルギーは15.7倍かかると言うものです。
簡単に言えば旬でないものを多く食べると無駄なエネルギーを使ってしまうということです。

具体的にいうと、冬のいちご一キログラムを作るエネルギーは一世帯が使う年間電力量の5ヶ月分に相当するというものです。
いかに無駄の多い社会になってきているというものですね。

この作文は2010年の「私たちのくらしとエネルギー作文コンクール2010年」の経済産業大臣作文賞をもらっているようなので、間違いない話なのでしょう。

インターネットなどを見てもこの文書はあちこちで紹介されていますし、一世帯が使う年間電力量も紹介されていたりします。

ただ、私達は住宅のプロ、特に設計士という立場ですから、少し疑問を持っています。
疑問と言ってもうそだというわけではありません。

ここからの話は解決ついた話ではありません。

ただ、おかしいなあと思っていることを書きます。

インターネットで紹介されている一世帯が使う年間の電力量は4200KWhぐらいだそうです。
自宅で使っている電力量を見てもそれぐらいかなと思います。

そうすると、いちご一キログラムを作るのに、4200×5÷12=1750Kwhということになりますね。
いちごは1パック250グラムぐらいとして、4パック分。
1パックあたり440kwh。
電気代は1kwhあたり20円ぐらいかかるのではないでしょうか。

そう考えると440×20=8800円の電気代がかかることになります。
逆に旬のいちごが15.7分の1で作れるとしても560円ぐらいかかってしまいます。
すこしおかしいですね。

どういうことか解決しているわけではないのですが、太陽から得られるエネルギーも入っているのではないでしょうか。

冬のいちごを作るためのエネルギーを電気に換算すると5か月分ということになるが、すべて電気を使っているというわけではないのではないでしょうか。
かといって、重油などを使っているから安いというレベルでもなさそうに思います。

こんなことを言って作文にけちをつけているわけではありません。
ただ、わからないことをどこまでも追求したいのが技術屋なのです。

もし太陽光のエネルギーが計算に入っているとしても、それじゃ電気を使ってもかまわないじゃないかということではないでしょう。

旬の時につくるいちごはほとんど太陽エネルギーで作ることができ、さらに太陽光エネルギーは余っているが使えていないという考えかたをするべきなのでしょう。
逆に、冬のいちごはほとんど太陽光で作れるにも関わらず、無駄なエネルギーを使っているというように考えるべきでしょう。

エネルギーについては、科学的にちゃんと考える必要があると思います。
省エネなどについては割りと雰囲気で語られるところが多く、効率的なエネルギー利用ができていないところも多いと思います。

みんなが作文を読んで、「そーなのか」と思っておられるところですが、もう一歩踏み込んで考えてみたいと思いました。
この件は正確に答えが出ていません。
どなたかわかっておられる方、私の間違っているところを指摘していただける方があれば是非とも教えてください。


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