防火扉

三和総合設計

2013年10月14日 08:27

福岡の医院で火事があり、防火扉について報道などがされています。

防火扉について、建築関係者以外の方はあまりよく知らないのが現状ではないかと思います。
建築関係者でも、そこそこ大規模な建築を設計したり、施工管理をした人でないと正確な話はわからないと思います。

防火扉には煙感知式と熱感知式があると報道されていますが、両者とも常時開放型と呼ばれるもので、通常時は廊下や階段が通りやすくするため、壁の中に収納されているタイプです。

そのほかに常時閉鎖式といって、扉がいつもしまっているタイプのものもあり、こちらのほうがより安全だと思うのですが、階段を使うとき、いちいち扉を開けなくてはならないので、面倒な感じになります。

報道を見てもわかるように、階段などは煙が煙突状に移動し、被害が拡大しますので、階段に付ける防火戸は非常に重要なものになるのですが、建物の所有者も含めてそういう認識はあまりないように思います。

スプリンクラーの設置などが初期消火には効果が高いと言われていますが、小規模な建物に関してはどうしても経済的な影響が大きく、もう一度防火扉の意味、重要性を確認するところからはじめるべきだと思います。

防火扉によって区画がされていると、消防設備が免除されることがあります。
こういった場合、防火戸が機能しない限り、消防設備を免除できないのですが、それが日常的に管理されないと大きな問題になることになります。

以前、私が関係した公共の団地の玄関扉が常時閉鎖式の防火戸になっていました。
玄関扉を防火戸にすることにより、屋内消火栓などの消防設備が免除されるのですが、市民が入居するその日に、玄関扉を開放できるための金具を販売する業者が来ていました。

業者に販売することの問題を話したり、市の担当者にも消防設備の免除の件などを話したのですが、建設を担当する職員でなく管理する職員だったので、あまりそういったことの認識はなかったように思います。

いずれにしても、防火戸はちゃんと機能すれば意味のあるものです。
もう一度、一般の人を含めて防火戸の意味を周知してもらう努力をするべきでしょう。


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