
2004年08月17日
住まい方の工夫
住まいを新たに建てようとしたとき、誰しも今より快適に、機能的にと考えることは当たり前なのですが、その意気込みがあまりにも強すぎて、何もかも完璧を求めようとされる方もおられます。人間もそうですが、住まいも完璧を求めたらどうなるでしょうか?何かバランスを崩したものになってしまわないでしょうか。ある程度許容する心をもって、何がいちばん大事で次は・・・。できないことは、自分で工夫する。自分で少しは工夫しながら住むのも楽しいですよ。工夫で解決できなくて、済むことが苦しいものになるほどの住まいは問題ありますけどね。子供を育てるときも、まずとりあえず元気な子が生まれてくれればと願っていながら、育てる間に勉強もできて、運動もできて、やさしい子になってほしいとあれもこれも望んでしまって、それを全部完璧に求めたら親も子もおかしくなります。ある程度許容して人として最低限のことが守れていればあとはそれぞれの個性で豊かな人間になっていくものではないでしょうか。住まいも最低限のものは守り、可能な範囲で望みを叶えれば、あとは住まい方の工夫で豊かな生活が送れるような気がします。許容範囲というものは、人それぞれ違うのでなんとも言えませんが、望む内容によって一番大事なことが省かれることになるよりも、人が動くことによって解決できることであれば、自分が動く方がずっとましなような気がします。そこに工夫があればずっとずっと人間的なような気がします。わかりにくい話なので、いくつか例をあげます。「木の家に住むのは気持ちがいいけど、傷がつきませんか?床に物をこぼしたりしても大丈夫ですか。」と聞かれます。そのときは、「傷もいきます。でもそれが味になります。床にこぼしたらやっぱりあとは残るかもしれませんね。」といったところまでしか答えませんが、本当はもう少し言いたいことがあります。「傷がつかないようにできるだけ気をつけてみてください。それでも傷が言ったら蒸気をあてたりして直してみてください。それもじゃまくさかったらほっといてください。そのうち味になります。ささくれだったら、削って直してみてください。床に物がこぼれたらすぐに拭いてください。小さな子供さんがいたら、まずこぼさないようにしつけをしてください。それでも無理な時期はこぼれてしみになるのがいやだったら、シートでもひいておいてください。そんな時期って少しの間だから。このどれもこれもいやだったら、プラスチックの家にした方がいいのでは?」もうひとつ「私は片付けるのが下手だから収納をたくさんとってください」と言われたら、できるだけ取るようにはします。でもひとこと言いたい。「まず片付けて整理するように努力してください。片づけが下手なのは収納が少ないせいではないはずです。収納をつくるのにどんどん大事なお金を払って、家族が過ごす部屋を削るのですか。それとも安い工業化製品を使うのですか。物を入れる箱をつくるのか、それとも人が住む家をつくるのかどっちなのでしょう。」まだまだあるのですが、今回はこれくらいにしておきます。
Posted by 三和総合設計 at 19:11│Comments(0)