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2006年02月06日

住まいの基本

昔、私が京都の設計事務所に勤めていた頃の話。
同期で入社した某有名大学出の仲間と納まりについて話していた時、
「このゴンタがね・・・・」
「えっ?」
「あのね、このゴンタがあー・・・・」
なんのことを言ってるのか、意味不明。
よくよく聞いてみたら、「根太(ネダ)」のことだった
(根太=床材を直接支える部材。大引や梁と直交方向に303mm間隔程度で掛け渡された角材のこと)
大学の木造教育ってこんなもんです・・・・。
笑えない冗談。

そう言えば、見学会やイベントで部材の話をするときも、根太は仕方ないとしても土台、柱、梁といった言葉さえも通じないことがあります。
家づくりに少しでも関わったことがあったり、自分で直したりした経験がある年配の方は、当たり前のように知っておられますが、工業化製品で出来上がった家しか知らない世代には、通じないことが多いです。そして、家のメンテナンスはもちろんものづくりにも関わることが無くなってしまっている子供たちは、ならなおさらです
以前、中学生が節が何なのかわかってない現状に びっくりした話をしたことがありましたね。
自分の家の構造が、在来木造なのか2×4構造なのか知らない人も多いです。

衣食住の住、とても大切な部分なのに、学校でも地域でも学ぶことがなくなってしまい、建築の専門教育の場でさえ、怪しい状態。
学校や塾で数学や英語の勉強するのも大切かもしれませんが、生活の基盤となる住まいの基本ぐらいは、しっかり学んでおきたいものです。
そして、小さな頃から身近な場でも自然に学んでいけるように、地域で顔の見える家づくりが主流になってほしいものです。

根太はわからなくっても、せめて土台、柱、梁ぐらいは・・・・どんなものか知っておいてほしいものです。





我が家の娘はどうかなと質問してみました。
上の娘は、建築の仕事をしているので、知っていて当然なので、建築に全く無関心な下の娘に・・・。

ちなみに下の娘は、小さな頃から、イメージで物事を捉えるので、えっ?と思うような言葉が出てきます。
たとえば・・・・
関西では有名なキダタローという人物のことを、ギターシローと言ってみたり。
加齢臭のことを枯れー臭、もみじマークを枯葉マークと思っていたり。
こんな風なので、わかっているかどうか心配でしたが、
「柱ってわかる?」
「うん、わかる。これやろ?」見えてる柱を指差して・・・・
「梁ってわかる?」
「あれやろ?」天井向いて梁を指差す・・・・。
「わかるんや!」
「当たり前やん。毎日見てるし、いつもあの梁が・・・って話してるやん。そやけど、まわりの友達やったら絶対わからんと思うわ」
なるほど、見えてるってだけでも教育になるなあ・・・
「土台は?」
床下を指差して「この下にあるやつやろ?」
ちょっと怪しいけどよしとして、
「じゃあ根太ってわかる?」
「わからん」
やっぱり・・・・。これを機会に説明しましたが、実際に見たわけではないので、娘の頭の中でどんなイメージになったか怪しいです。
この前も
私が、「お父さん、今度、泊まりで天竜に行かはるねんで」と言うと、
しばらく考えて「孫悟空の行くところってどこやったっけ?・・・あっあれは天竺やった。アハハ」
きっと娘の頭の中では、天竜の「天」で、天竺に向かう孫悟空と猪八戒姿のお父さんが思い浮かんだんでしょう・・・・
天の字だけでこんなイメージなのですから、根太なんていう言葉からどんなことが浮かんでる事やら・・・。
いつかは現場でしっかり教えておかなきゃ!

岩波が天竜へ行ったのは、大津の森の木で家を建てようプロジェクトや滋賀県林業研究グループの方たちと一緒に視察旅行に出掛けたのです。もちろん普通の姿でね(^_^;)

天竜行きの報告はまた岩波からあると思いますので、お楽しみに!



Posted by 三和総合設計 at 07:34│Comments(0)
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