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2006年02月15日

手持ちの素材

今日は洗面カウンターに使われている杉材についてお話したいと思います。

私の住まいは以前にも書いたように2階に居間があります。
2階居間は、日当たりもよく、小屋裏を見せることにより開放感があるなどの良さがありますが、2階にも1階にも水廻りの設備を設置する必要があります。
最近の住まいでは、1階に居間がある場合でも、2階にトイレや洗面をとったりするので特にコスト高というほどでもありませんが、予算的には考慮しておく必要はあります。


写真は、2階にある洗面カウンターです。
2階に居間があるので、木の住まいにあったものにしたくて、既製の洗面に杉材のカウンターをつけています。
表面は、ウレタン塗装で水濡れに対応するようにしています。
自然素材にウレタンを塗装するのは良くないと言われる人もおられますが、化学物質を極力使わないとう考えは正しいと思いますが、程度ものだと思います。確かに木の良さを100%活かしているとはいえないかもしれませんが、貴重な素材を大事に使ってやることも必要なことだと思います。木の良さを活かすために寿命を短くするのなら意味がありません。そんなことなら、最初から水廻りに使わなければ良いのです。

前置きが長くなりましたが、ここで書きたいことは、このカウンター材が大工さんの手持ちの材料だということです。
昔なら、大工さんが木材などを在庫として持つことはよくある話でしたが、最近ではめったにありません。
木材は、充分な乾燥をして使わなければなりません。
そのため、設計図書に必要な材料を記載して、それを安い市場で買ってきてゆっくり乾かして使うというのでは工期が間に合いません。そうなると通常、高い銘木店で買ってくるしかないのです。
私の住まいを担当していただいた大工さんは木が本当に好きで、市場に行ってよい材料があれば、どんどん買い込んでしまうような方です。ですから、手持ちの良材がたくさんあるのです。
通常、設計事務所が住まいを設計すると、あれこれ細かく指定したりしたくなります。細かく指定しなければならないところもたくさんあるのですが、今回のカウンター材は大工さんの持っておられる材料の中で良いものを任せて使っていただくことにしました。
入札や相見積もりの場合、細かな指定がしていないと値段の入れようがないのですが、特命でお願いした場合、こんなメリットもあるのです。
大工さんが市場で安いときに買っておいていただいたものですから、価格も非常に安くつきました。

市場や材木店などで買物をするとき、こんな材料はないかとこだわって探せば探すほど価格は高くついてしまいます。
逆に、市場でせりがされたときに買い手がないとどんどん値段が下がります(市場の売り方にもよりますが)。
どうしても買って欲しいので、「えーーい、これだけで良いから買ってよ!」などとすごくお買い得のこともあるのです。

こんな材料をうまく使えたら、住まいも豊かさをより増すことができるのです。



Posted by 三和総合設計 at 07:13│Comments(0)
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