
2006年03月18日
京町屋の耐震性
昨日、京都駅前のキャンパスプラザ京都で京都大学防災研究所教授の鈴木祥之先生による「京町家の耐震性を大型震動台を用いた実大実験で調べる」という内容の講演会が開催されました。

時間は一時間半と多少短めの講演でしたが、プロジェクターを使い、実験の内容の動画も交えた中身の濃い内容でした。
この実験は、三木市あるE-ディフェンスの大型震動台を用いて、移築、新築の京町家2棟の実大振動台実験を行ったもので、震度5強程度及び震度6程度の阪神大震災の地震波を実際建物に入力し、耐震性を確かめようとするものでした。
結果として、現在存在する町屋は震度5強程度では安全性に問題ない(損傷しないという訳ではない)が震度6程度になると補強がないと難しいという判断がなされ、補強された京町屋とその主旨を受け継いだ新しい町屋を実験し、震度6でも安全性に問題はないという結論が得られたようです。
ここで大事なことがわかります。
最近の町屋や民家についてその歴史的価値を持って人気が上昇し、専門的な耐震性能に対し判断なしに保存や活用がされていることが非常に怖いということです。
私が昔から言いつつけていることなのですが、町屋の保存活動のなかに入るとそういう内容は重要視されずに進められているのが現状です。
京都の町屋も蛤御門の変でほとんどが消失した後建設されたものなので、その後大きな地震に合っていません。そういう状況を踏まえ耐震性を判断し、現在の町屋の耐震性能に不足する部分があり、補強が必要であるという考え方が示されたことは非常に重要なことだと思います。
町屋や民家はその歴史的価値や景観的価値により人気があり、そこに大工さんの自分の技量を活かせる場であるという思いが合わさって、あいまいな判断のもとに活用などが進められています。
危険であるから壊して新たに建てかえるという必要はありませんが、確かな理論のもとに補強を進めた後の利用という考え方が大切であるといえます。
伝統的な建築物の耐震性能の設計法として、限界耐力設計法というものが開発されていますが、大工工務店はもちろん設計者もほとんど扱うことができません。
難しいからということで、設計方法を簡略化すると意味がありません。木造の設計方法を着実に学習すれば可能なのですが、設計者はどうしてもデザインに走りがちです。
今後、木考塾という木造の勉強会で設計方法の講習会などを開催して行きたいと思っています。

時間は一時間半と多少短めの講演でしたが、プロジェクターを使い、実験の内容の動画も交えた中身の濃い内容でした。
この実験は、三木市あるE-ディフェンスの大型震動台を用いて、移築、新築の京町家2棟の実大振動台実験を行ったもので、震度5強程度及び震度6程度の阪神大震災の地震波を実際建物に入力し、耐震性を確かめようとするものでした。
結果として、現在存在する町屋は震度5強程度では安全性に問題ない(損傷しないという訳ではない)が震度6程度になると補強がないと難しいという判断がなされ、補強された京町屋とその主旨を受け継いだ新しい町屋を実験し、震度6でも安全性に問題はないという結論が得られたようです。
ここで大事なことがわかります。
最近の町屋や民家についてその歴史的価値を持って人気が上昇し、専門的な耐震性能に対し判断なしに保存や活用がされていることが非常に怖いということです。
私が昔から言いつつけていることなのですが、町屋の保存活動のなかに入るとそういう内容は重要視されずに進められているのが現状です。
京都の町屋も蛤御門の変でほとんどが消失した後建設されたものなので、その後大きな地震に合っていません。そういう状況を踏まえ耐震性を判断し、現在の町屋の耐震性能に不足する部分があり、補強が必要であるという考え方が示されたことは非常に重要なことだと思います。
町屋や民家はその歴史的価値や景観的価値により人気があり、そこに大工さんの自分の技量を活かせる場であるという思いが合わさって、あいまいな判断のもとに活用などが進められています。
危険であるから壊して新たに建てかえるという必要はありませんが、確かな理論のもとに補強を進めた後の利用という考え方が大切であるといえます。
伝統的な建築物の耐震性能の設計法として、限界耐力設計法というものが開発されていますが、大工工務店はもちろん設計者もほとんど扱うことができません。
難しいからということで、設計方法を簡略化すると意味がありません。木造の設計方法を着実に学習すれば可能なのですが、設計者はどうしてもデザインに走りがちです。
今後、木考塾という木造の勉強会で設計方法の講習会などを開催して行きたいと思っています。
Posted by 三和総合設計 at 07:45│Comments(0)