› 三和総合設計 木の住まいブログ › 地域の建設会社事情

2006年04月10日

地域の建設会社事情

先日、地域の公共工事などを多く手がけている建設会社の社長さんとお話をしましたが、少しその時のお話を書いてみます。

最近、日本経済は回復基調にあると言われていますが、本当にそんなんだろうかと思うことがよくあります。地域のRC造や鉄骨造を手がけているゼネコンは特に厳しい状況のようです。
価格競争は、資本主義社会の中では良いものとされていますが、今の建設業界では競争が過当なまで進み、実際、採算が合うかどうかわからない価格でないと受注できない状況にあるらしいです。
もちろん、業者間で価格に対する対応能力は差があるのですが、いずれにしても職人さんの手間賃を絞りきる事でしか乗り切れない状況のようです。
ですから、良い仕事をしていただける下請さんと良好な関係を持っている会社ほど、工事の採算を確保することは難しいのです。少し、おかしいと思いませんか。

当社も公共工事の設計を年に何回かは担当することもあります。
以前、公共工事の監理を行なったのですが、そのときも低価格で建設会社が落札したため、下請企業がいつまでも決まらないことがありました。
工事が進んで、次の工程に入らなければならないのに、その行程の下請業者が決まらないとかその行程に入っても充分な数の職人が現場に来ないなど、良い建物をつくるためには障害になるようなことが次々と起こってきます。
こんなことを繰り返しながらも、あまり良くない業者ばかりが仕事を確保し、良い業者は仕事が無くなっていくということです。

公共工事は70点ぐらいの出来でも、一応OKということになってしまいます。
そこそこの出来で70点ぐらいを目指す会社が生き延びる道だといえるのです。
私たちの大切な税金を使った社会資本がこのような状況で造られていくのは問題だと思います。

安く、早くという考え方からそろそろ脱却できないかなあと思っていますが、最近ではその路線がさらに加速されているのではないかと思っています。
私たちが手がけている「木の家」にもそんな傾向も見えてきています。
丁寧に造らない「木の家」は本質的に意味がないのですが。。。。



Posted by 三和総合設計 at 07:29│Comments(0)
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。