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2006年08月31日

京都にふさわしい「木の歩道橋」デザインコンペ

建築を学ぶ学生を対象とした「木の歩道橋」のデザインコンペの公開プレゼンテーションが開催され、東大と東京理科大の学生がつくるチームが最優秀を獲得したそうです。

京都の景観にふさわしく、高齢者や障害者にも利用しやすい新しい歩道橋の実現につなげようとする狙いだそうです。
最近、各地でこのように木材を多面的に使おうとする取り組みがなされています。
嬉しく思いますが、若干不安もあります。

木材、特に国産材が利用されなくなり、さまざまな工夫が提案されるのは良いことですが、特にマスコミなどに取り上げられるのはセンセーショナルなものばかり。もっと落ち着いてものを考えたいものです。
木材には良いところもありますが、欠点もあります。特に水に対する対応は重要なものがあります。木製の歩道橋も良いのですが、防腐の対策がすごく大切になります。
私は、無理に木材に向かないところに利用するより、工夫することにより木材の欠点を抑え、利点を活かせる部分に使うほうが良いと思っています。

京都市と言えば、京都らしい街並みが有名ですね。その街並みが、現在の法律では失われる方向しかないのです。
京都市は重要な文化財を数多く抱え、町も密集していることも加えて、中心市街地はほとんどが防火地域となっています。そのような地域で、今までの京都らしい木を活かした景観の住まいをつくることが難しいのです。モルタルで塗りこめられた外壁や軒裏でないと法律をクリアーできないのが現実でした。
最近では、研究が進み、一定の方策を講じれば木材を表した軒裏も設計することが可能になりましたが、そもそも京都市のほとんどを準防火地域に指定するのが正しいのかどうかというところまで踏み込んで考えられていません。

木を使った文化を考えるということに関し、新しい試みと昔の創意工夫を大切にすることの両面から考慮していきたいものです。
もっと庶民に関係の深い木の文化を取り戻すことを考えて行きたい気がします。



Posted by 三和総合設計 at 07:20│Comments(0)
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