2015年04月15日

原発再稼動と経済活動

高浜原発の再稼動を認めない仮処分決定が出ました。原発再稼動と経済活動

当たり前の判断だと思いますが、経済界からは「景気回復の足かせ」というコメントも出ているようです。

金儲けのためなら、国民の安全は後でも良いというようなコメントで、司法の判断されたものにまで「景気」というものさしを持ち出す日本の経済活動の異常さを感じます。
その経済の仕組みをあまり異常と感じていない国民も多いような気もします。こちらも問題ですね。

今回の司法判断は、国民の生活の安全性ということに関し判断されたものだと思います。

建築基準法というものを守っていれば、大きな地震が来ても大丈夫と考えている人も多いと思いますが、基準は最低基準を決めているだけで、阪神淡路大震災のような巨大地震は基準外であり、建物が壊れたりしても特に違法性があるといえないのです。
自然界の現象として起こる地震は、簡単に基準化できるものではなく、建築基準法を超える基準として長期優良住宅や性能表示制度というものができました。

しかし、この長期優良住宅の基準で造られた住宅が実験場で見事に壊れました。
http://www.bosai.go.jp/hyogo/research/movie/movie-detail.html#25
(二棟建っている建物のうち、壊れたのは長期優良住宅で、長期優良住宅でない建物は壊れませんでした。このように地震に対する対策は非常に難しいものです。厳しい基準にしたから簡単に安全だと判断できるのではないという証明です)

住宅やその他の建造物なら壊れても再建することは可能ですが、原発の事故となると取り返しのつかないことになることは福島第一原発で明らかになっています。

福島の事故の前に、安全であるとか基準にあっているとかいう議論がされているのなら仕方がないことですが、4年経っても状況がわからないような事実があっても再稼動しようという考え方に向かうなんて異常な話です。

何か他に理由があると言われても仕方がないことです。

先ほども書きましたが、自然界の動きは今のところ私たちが充分な理解ができていません。
そういった中で、燃料から出るゴミの廃棄方法も決まっていないことも合わせ、再稼動は危険であるという判断は当たり前というしかありません。

情けないのは日本の大企業です。

確かに電気料金が上がれば経済活動に影響が出ると思いますが、そこは自然エネルギーなどの推進などをむしろ力にして世界と勝負してほしい。
世界のトップを走るチャンスだと考えてほしいと思います(トップはすでにドイツが走っているのかもしれませんが)。

地方の零細企業なんかいつでも不利をこうむった状況の中で生きています。
細々と生きている中に大きな資本が来て、数に物を言わせ、あまりたいしたことのないサービスを宣伝で良いものに見せかけお客を奪っていきます。

そんなやり方ではなく、日本の将来や国民のことを考えた大企業らしく誇りある経済活動をしてもらいたいと思います。

国に取り入り、自分たちの都合よい制度や基準をつくり物事を進めていく。
こんなやり方のひとつである原発再稼動に対し、国民のための司法判断がなされたのはすばらしいことだと思います。



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