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2005年08月08日

アスベスト被害

最近、アスベスト被害について、新聞などで多く取り上げあられています。政府の対応が問題なかったのかということも書かれています。
しかしながら、本当の問題は、建築の設計に関する問題だと私は思います。
私が、大学を卒業して設計事務所に入社したとき、石綿(アスベスト)はいろんな場面で使われていました。天井板、屋根材料、耐火材料などアスベストの燃えにくい性質を利用したものです。
この問題は、少し前に問題となったホルムアルデヒドの問題と似ていますね。私たち設計者もホルムアルデヒドが問題あると思っていませんでした。いや、ホルムアルデヒドが建材に含まれていることすら知らなかったのです。昔のように、自然素材を使わないようになると、メーカーの提供する素材をそのまま問題はないとして活用してきたのです。アスベストもホルムアルデヒドと同じで問題あるばかりでなく、建材としての利点もあるのです。いくら利点があるからといって、根本的な問題がある材料はダメなのですが、大手の建材メーカーが作っているから問題はないと最初から疑うことをしていないのです。
近年、使われている建材も多くの化学物質を含んでいます。それは、安くて、早くて、精度の良い材料を追求するからです。しかし、それらの材料の安全性が確実に確認されているものは少ないと思います。今、問題になっている物質が含まれていないだけです。
最近の建材は牛丼のように早い、安い、うまいなどの感覚のものが多いのですが、少なくとも耐久性や可変性などは良くないでしょう。住宅の寿命が25年で良い社会にとっては良いものかもしれませんが、これからの環境主義の社会にとってはあまり良いものとはいえません。また、今回のような問題が後になって出てくる恐れもあります。
もう一度、日本の文化と長い間の知恵をうまく活用する住まいをつくれる社会になりたいものです。
そのためには、住宅メーカーのように「住まいを商品と考える」のをやめるべきです。





Posted by 三和総合設計 at 16:41│Comments(0)
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