2005年02月21日

組立大工

先日、滋賀県の「滋賀らしい環境こだわり住宅」の会議で地元の大工工務店の方とお話をしました。その際に、木組みの手加工とプレカット加工の話が出まして、プレカット加工された建物を施工する大工さんのことを「組立大工」と最近では呼ばれていると話をされていました。うまいネーミングだなと思いました。昔からの大工さんは、木の癖や材料の良し悪しを見ながらどこにどう使うのかを考え、棟上当日どのように組み上げていくのかを考えながら、木組みを考えておられました。私も最初のうちは木組みの図面を書いても、「あんたの図面どおり建てられんことはないけど組む順番などを考えるとむずかしいわな」などと言われたことがあります。
プレカット加工された材料での棟上はあまり気づかれしないと大工さんが言っておられたことがあります。もし間違いがあっても自分のせいではないのです。工場や材木屋のせいにすれば良いので気が楽だということです。手加工の大工さんは棟上の前になると寝られないぐらい気になることも多いようです。プロですからそれぐらいの厳しさがあっても良いのですよね。
自分で刻んで、加工した大工さんは、増改築も改修もお手の物らしいですが、最初から出来上がったものを組み上げる「組立大工さん」は構造体を改修するような増改築ができるのでしょうか。
そういう大工さんからは「増改築するより、新築したほうが安くつくよ」という言葉が出そうです。
大工さんだけでなく、設計の世界にも「申請設計士」、「デザイン設計士」、「流行追及設計士」などいろいろなパターンの設計者がいると思います。
組立大工さんもいろいろな設計士もある場面では必要だとは思いますが、その違いがわかるような呼び方があるとわかりやすいですね。
しかし、本当は住まい手の方が充分その違いをわかっていただける情報がないと、ネーミングだけでは新たな誤解も生まれそうです。
今でも、そんなものがたくさんあります・・・・・。





Posted by 三和総合設計 at 17:49│Comments(0)
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