2005年02月02日

引戸

最近、住まいの設計をしていると引戸を希望される方が非常に多くなりました。
引戸や引違い戸は日本の文化みたいなところもあるので、それはそれでいいのですが、なんでもかんでも引戸というような感じもあります。引戸には引戸の良さがありますが、開き戸にも、きちんと納まる良さがあります。そのあたりは適材適所として考えたいものです。
引戸が多くなると困るのが耐震問題です。三和総合設計では木造2階建の住宅であってもすべての建物に構造計算を行なっています。構造計算を行なうと、通常の簡易計算より筋違本数が多く必要になりことが多くありますが、そういったときに引戸の引き残し部分の壁が耐力壁に使えないことが大きな問題になります。引戸が引き込まれていくから、壁の厚さは半分ぐらいになります。そういった部分に筋違は入れられません。耐力壁は数があるだけではだめで、バランスよく配置しなければなりません。そういったときに引戸でなく、開き戸であったらなあと思うこともしばしばあります。
しかしながら、最近では、わがスタッフもめっきり構造に強くなってきたので、お施主さんの引戸希望に対しても、その部分は耐震上重要なので、引戸にすると建物が弱くなってしまいますよと話を上手にしてくれます。お施主さんもそういった話を聞くと、そうですかといってくれます。
そういうやり取りを聞いていると、設計者はお施主さんのただ望みどおり設計していけば良いのではないのだなあと再認識させられます。





Posted by 三和総合設計 at 17:57│Comments(0)
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