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2004年11月15日

棟梁と大工さん

前回も書いたように、木の家ネットの総会が滋賀でありました。その際に若者の大工さんの伝統的な仕事に対する意欲に感心させられましたが、あくまでそれは大工さんの世界です。「棟梁」と大工さんは同じように思えますが大きな違いがあります。「棟梁」というのは、住まい全体のことを考えなければなりません。大工仕事のほかに各種の工事にも気配りが必要です。最近ではそのあたりの仕事を工務店の現場監督が担当するので大工さんは大工仕事に専念できるのです。大工さんが大工仕事に専念できるのは仕事の効率は良いのですが、やはり、その他の仕事に気配りができる大工さんとそうでない大工さんとは力量がぜんぜん違ってきます。まだ、滋賀県には伝統的な技術を持った大工さんはたくさんおられます。難しい継手や組み方も平気でこなす人もまだまだおられると思いますが、その他の仕事を考えて動ける「棟梁」と呼ばれる人は非常に少ないと思います。腕に自信のある大工さんほど、金物をつけたり、新しい技術を取り入れたりすることを嫌がられます。金物や新しい技術が良くないことをはっきりと自分で把握されておられる場合は良いのですが、今まで自分がしたことがないから、できるだけ手を省こうとする技術であるからなどという理由だけで否定してしまう方もおられます。良いものは良いもの、必要なものは必要なもの、幅広い知識で自分の仕事以外にも配慮ができる「棟梁」が少なくなってきたのが残念です。特に、年配の大工さんほどそのような傾向にあるように思えます。救いは、若い大工さんの中にそういう柔らかな頭をした「棟梁」が少ないけれどいることです。やはり、その「棟梁」は同じ大工さんでも、同年代の大工さんと比べて一味違います。





Posted by 三和総合設計 at 18:01│Comments(0)
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